今は立春です。
例年2月4日頃から15日ほど続きます。
2021年は124年ぶりに2月3日が立春でした。
節分の日が違う!ってニュースになっていましたよね。
立春があってこその節分なんですけど、節分のほうが有名です……。
二十四節気で一年を追ってみようと思った理由
立春から始まる二十四節気に注目するようになったのには、順序があります。
独身のころはカレンダーすらもたず、仕事やプライベートの予定調整で使う手帳のなかの、日付と曜日、祝日以外の情報にはほとんど目もくれていませんでした。
妊娠して初めて、月の満ち欠けを記載したカレンダーの存在を知りました。
満月や新月は、出産とかかわるので、助産院などで使われていたからです。
へー。面白い。と記憶に残っていたところ、子どもがちょっと大きくなってくると、お月様をみて会話する機会も増えました。
月の満ち欠けを子どもと愛でるのも良いだろうと思い、月の暦が入っているカレンダーを家に置くようになりました。
そういうカレンダーには旧暦も書いてあり、目にするうちに、季節感と旧暦の日付に違和感をおぼえるようになりました。
旧暦とは
明治の開国後(明治5年)に突然、旧暦から今の私たちが使っている太陽暦(グレゴリオ暦)に改暦になった、という歴史上の事実は日本史で習いますよね。
私は、「お月様のカレンダー(太陰暦)がお日様のカレンダー(太陽暦)に変わった」「旧暦と新暦は1ヶ月くらいちがう」と、ざっくり認識していました。
ひな祭りが4月3日の地方もある、というような認識です。
別の文脈で、「太陰暦では、新月の日が1日になる」と知りました。
わかりやすいです。
実際月の満ち欠けが入るようなカレンダーで月の初めは新月の日。
お手当てやデトックスの文脈では、昔の日本人は、毎月1日(新月)と毎月15日(満月)にあずきごはんを食べていた、という類の文章を見かけます。
お月様の運行をみて、旧暦で1日か、それを忘れたら15日にあずきごはんを食べるようにすればいいのね、と思いました。
そうやってたまに思い出したように旧暦を見ると、新暦のカレンダーより季節感が合っているはずと思っていた旧暦の日付が、季節感と大きくずれることがあると気がつき始めました。
例えば2018年について言えば、旧暦の3月3日は、カレンダー上では4月18日です。
桃……の季節じゃないです。
そこで初めて、旧暦とは月の運行そのままのカレンダーではなく、太陰太陽暦といい、季節感とのずれを調整するために二十四節気も組み入れられていた、ということに気づいたのです。
二十四節気ってなに?
そもそも私は読み方すらわかりませんでした。
「にじゅうしせっき」と読むそうです。
アジアで広く用いられていた太陰暦は月の運行に基づいていたので、日付が、お日様がもたらす季節感とずれていきました。
そこで、中国の戦国時代に、季節を春夏秋冬の4等区分する暦のようなものとして、二十四節気が考案されたそうです。
中国戦国時代とはいつくらいかというと、紀元前5〜3世紀のよう。
中国の戦国時代(せんごくじだい)は、春秋時代に続く時代で、紀元前403年に晋が韓・魏・趙の3つの国に分かれてから、紀元前221年に秦による中国統一がなされるまでをいう。(中略)
どの時点をもって春秋と戦国の境目とするかは、歴史家の間でも意見が分かれている。
Wikipediaより
専門家の間でも意見が分かれるとのことですが、まあずいぶん昔なことに違いはありません。
それくらい昔、日本と風土の違う中国で作られた分け方なので、現代日本の季節感覚と、二十四節気がそのままぴったり合うとは言えません。
だから、季節感とのズレはどうしても生じるのですが、それでもやはり、「季節を感じる暮らし方」の、一つの目安になるから今でも残っているのだと思います。
二十四節気は、季節感をもたらすお天道様の運行に合わせて考えられているので、1年で一番日の長い日(夏至)、日の短い日(冬至)、さらに春分と秋分でわけ、春夏秋冬の4つが出来上がります。
そこから一つの季節内で6つに分かれていて、下の図のようになります。
上図はWikipediaより引用しました。
一つの季節はおよそ15日なので二つで30日。つまり約1ヶ月です。
文字で説明を添えますと、以下のようになります。
一年を12の「節気」(正節とも)と12の「中気」に分類し、それらに季節を表す名前がつけられている。
重要な中気である夏至・冬至の二至、春分・秋分の二分は併せて二至二分(にしにぶん)と言い、重要な節気である立春・立夏・立秋・立冬を四立(しりゅう)、二至二分と四立を併せて八節(はっせつ)という。太陰太陽暦では暦と季節のずれを正すものとして用いられる。日本でも一年の中で立春や立秋などのように、季節を分ける目やすとして使われることがある。ただし二十四節気はほんらい中国の気候をもとに名づけられたものなので、日本の気候とは合わない名称や時期もある。よって日本ではそれを補足するため二十四節気のほかに、土用、八十八夜、入梅、半夏生、二百十日などの「雑節」と呼ばれる季節の区分けを旧暦で取り入れている。
Wikipediaより
二十四節気ばかりでなく、雑節も、確かに聞いたことがあります。
二十四節気などに注目することで、自然とはあまり縁のない生活でも、季節を意識できるのですね。
節分は立春とセットだった
節分は、子どもにとって人気のある行事です。
どういうものか、子どもに説明しようとして(恵方巻きを食べること=節分ではないですよね)、もともとは季節の変わり目として年に4回あり、一説には江戸時代くらいから、とくに立春の前日を指すようになったと知りました。
節分と立春はセットなんです。
そんなことすらわたしが知らなかった……!
なので、子どもにメジャーな節分をきっかけに、立春というまさに始めから、二十四節気を追いかけてみようと思い立ちました。
そして要所要所で子どもに説明しようと。
立春ってなに?
二十四節気の一番最初です。今のカレンダーで2月4日前後です。
日本気象協会の「季節のことば」によると、立春の定義は「春の生まれるころ」。
前述のように、室町時代以降、節分の翌日が立春と定められたそうです。
現実にはまだ寒いけど、鬼をはらって福と一緒に春がくる、と思うと、意味的にはOKですよね。
二十四節気の生まれた中国では、「暖かくなり始める」実感のある時期だったようです。
以下のグラフを見たら、確かに、立春の頃は、二十四節気が生まれた地域の気候に、日本の多くの都市よりは位置が近い中国の太原では、気温がぬるみ始めている感じ。
気温は低いですけど、右上がりにはなってますよね。
旧暦の一月一日は立春の前後にやってきますが、お月様の暦と二十四節気(季節感)は上に書いたように一致しないので、ほとんどの年では若干ずれています。
これを書いている2018年では旧暦の一月一日は立春の後にきます。旧暦だったらまだ12月なんですね。
それを年内立春と呼びます。
立春の前に一月一日が来るときは、新年立春というんですって。
立春のイベント
立春の朝は福茶を淹れたらいいそうです。
福茶とは、「正月や節分に飲まれるお茶」。
〈福茶の淹れ方〉
黒豆、昆布、梅干し、山椒といった具に煎茶や湯を注ぐ[1]。元日に大福茶として入れる場合は、若水を沸かした湯を用いる。節分には福豆(大豆)を加える。
Wikipediaより
上の赤字の若水が、「立春の日に宮中の主水司(もいとりのつかさ)が天皇に奉じた水」なんだそうです。
時代が下って、元旦に飲むお水を若水というようになり、それで福茶を淹れるようになったそうですが、お正月ばかりじゃなく、立春の朝に福茶をいただくのも素敵じゃないか、と、『暮らしのならわし十二か月』で提案されていました。
次の雨水(2021年では2月17日・水)まで立春ですから、どこかのタイミングで、子どもとゆっくり飲みたいものですね。
子どもと二十四節気を楽しむには
絵本を導入しました!
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一年かけて少しずつ読んでいきます……。
24すべて読むのはなかなか難しくて、まだ実現できていないのですが、わたしも年々理解が深まるように、子どももそのうち深まっていくんじゃないかな、と思ってます。
【参考文献】
「季節のことば」(日本気象協会 編)
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