昔の人が使っていた月の満ち欠けに基づく暦では、新月の日が1日、と決まっています。
月は平均 29.53059日(1朔望月)の周期で規則正しく満ち欠けするので、月がもたらす日付は、お日様がもたらす1年の感覚(季節感)と、どんどんずれていきます。
ですので、日付以外に参照する暦……太陽の1年の動きに基づいた「二十四節気」が生まれたそうです。
今は雨水。
今のカレンダーで2月19日頃から始まり3月4日頃まで続く、24の区分けのうちの2番目に当たります。
雨水って、綺麗な表現ですよね。
二十四節気が中国で成立したことは立春の項に書きましたが(「子どもと楽しむ二十四節気:立春」参照)、微妙に季節感がずれる日本でも採用され、今でも残っているのは、こうやって、漢字がもたらすイメージが綺麗だったからかもしれない、と素朴に思います。
雨水ってなに?
二十四節気は太陽暦の1年を24等分したものです。詳しくは立春の項を参照。
二番目の雨水は、今のカレンダーで、2月19日頃から3月4日頃までの「中気」に当たります。
中気とは、2番目、4番目、6番目……というふうに偶数番目のグループをいうそうですよ。
節、中、節、中、と24まで重ねていくんですね。
雨水の意味
日本気象協会の「季節のことば」によると、雨水の定義は「春の雨が降りはじめる」。
東京在住の実感としては、……まだ降らないですねぇ!
地方によっては、ちょうど、雪じゃなくて雨になったり、雪が溶けて水になったりする頃合いかもしれません。
でもWikipediaによると
『暦便覧』には「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」と記されている。実際は積雪のピークであり、それゆえ、この時節から寒さも峠を越え、衰退し始めると見ることもできる。
春一番が吹き、鶯の鳴き声が聞こえ始める地域もある。
昔から農耕の準備を始める目安とされてきた。
Wikipediaより
確かに寒さが峠を越した感はあるけれども、日本的に雨水になるのはひょっとしたらもう少し先の地方が多い?
でも子どもには、その、立春からこっち、確かに「寒さが峠を越している」(気がする)感覚に、ちょっと気を付けさせたいと思います。
農耕の準備を始める目安っていうのは春らしいですね。
雨水の何に気をつける?
中気だからか、雨水だからこう!っていうのは流石に見当たりませんでした。
春めいてきているのは確かなので、『二十四節気に合わせ心と体を美しく整える』によると、軽く運動を始めてみるのは良いようです。
雨水に始める運動
・布団の上で足の上げ下ろし
・小刻みに体を揺らす
・首を回す
・肩を回す
ちょっとした動きで、少しずつからだを芽吹かせるのがいいみたい。
目の疲れに気をつける
春全般の話ですが、冬の間の不養生や疲れが目に出る季節です。
私自身がここのところ大変心当たりがあり、
・目の体操(上下左右を見て、右回り左回りとぐるりと目を回す)
・指先で軽くタッピングする
・温める
など、目に気持ちのいいことをしてみています。
テルミー持ってる人は、小さな火で目の周りをくるくるかけたり、まぶたの上からそーっとかけたりするのもありだと思います。
食で言えば、春キャベツやほうれん草などを食べ始めるのもオススメのようですよ。
【参考文献】
「季節のことば」(日本気象協会 編)
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