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見てびっくりの地球温暖化対策:カーボンポジティブ、カーボンニュートラルな建物って?

見てびっくりの地球温暖化対策:カーボンポジティブ、カーボンニュートラルな建物って?

ビルに穴があいているのを見て、興味をひかれました。

こんな建物が建てられるのかと。

調べてみると、かわったかたちのビル自体は、ほかの国にもいろいろあった。

技術が進化しているのだなぁとしみじみしました。

でも、シドニーにあるこのビルは、「カーボンポジティブ」のビルなんだそうです。

カーボンポジティブビルはどれくらいポジティブなのか

20階建てで、マンションやホテル、飲食店などが入るそう。

「インフィニティ(無限大)」という名前のこのビルは、二酸化炭素(CO2)を排出するよりも、吸収する量が多い建物ということです。

風通しがよくなることでエアコンの使用頻度が下がる、そこまではわかるのですが、驚いたのが日差しとの関係でした。

穴は、南半球では日が差し込んでくる北向きに開いている。差し込む角度の高い夏場は、鉄道駅に直結する公共スペースの中庭に日陰ができ、低角度の冬場は日が当たる。マンションの部屋や、隣の地下にできた新しい図書館にも十分な自然の光を与える。

地球のためビルに穴をあけた 豪州に新風、日本人建築家

すごい、そこまで考えて作られているんですね……!

電気の使用量が減り、木がたくさん植わっていれば、二酸化炭素吸収量のほうが上回る計算になるのは納得がいきます。

ただ、巨大建築物は、環境にプラスかマイナスかといわれると、解体にかかるエネルギーを考えた時にポジティブになるかどうかはわたしにはわかりません。

が、メンテナンスのコストをかけてもカーボンポジティブに作るというモデルは、素朴にかっこいいなぁと思いました。

 

カーボンニュートラルってなに?

「カーボンニュートラル」という用語をよく耳にします。

CO2排出量がプラスマイナスゼロの場合カーボンニュートラルというようです。

上の建物のように、CO2を排出する量より吸収する量のほうが優っている場合カーボンポジティブ(注:マイクロソフトは、カーボンネガティブといっています)。

多くの国や企業が掲げているし、日本でもいわれているけど、かけごえばかりで現実がついていっていない。

現実問題として、あと10年、かなり必死になって取り組まないと、地球温暖化問題は、人間がコントロールできる範囲を完全に超えてしまう、人類全体の生死にかかわる問題として、日本よりも諸外国でとらえられているように思います。

2030 年までにカーボンポジティブ

どうして経済がからむと、次世代のいのちを守るという一番大切なところを軽視しがちなのか理解できない。

と思っていたら、社会的責任を果たそうとする企業もきちんと存在します。

たとえば「carbon negative by 2030」をいうマイクロソフト。

上にも書きましたがマイクロソフトのカーボンネガティブ(二酸化炭素の排出量がマイナス)は、冒頭に書いたカーボンポジティブ(二酸化炭素の吸収量がプラス)と同じ動きです。

この用語の違いは、どちらに先に重きをおいたのか、の違いなのかもしれませんね。

マイクロソフトのサイトによると、

2030 年までにマイクロソフトはカーボンネガティブとなり、1975 年の創業以来、直接的および電力消費により間接的に排出してきた CO2 の環境への影響を 2050 年までに完全に排除します。

https://news.microsoft.com/ja-jp/2020/01/21/200121-microsoft-will-be-carbon-negative-by-2030/

2021年……今年の7月までという日程が切られているそうですが、マイクロソフトの取引先でありたければ、その会社は自社がCO2排出を削減するだけでなく、その会社のサプライチェーン全体で削減する必要があるそう。

マイクロソフトと取引したければ、CO2排出削減に前向きに取り組むしかなく、世界の経済活動のありかたにきっと影響をおよぼす、はず。

わたしは自分の子どもたちに、気候変動で生死をさまようような世界で生きてほしくないので、環境意識の高い企業を応援しなきゃな!と思います。

人新世(アントロポセン)のマンション

かつて、現代美術家の赤瀬川原平さんのおうちの屋根が、草のはえた建築物として有名でした。

なんの草なんだろうと思っていたら、ニラだったんだそうです。

下をみると、ニラどころじゃない……これからの建築物は、なにかの映画でみたような、森のような姿になっていくのかも?

冒頭のビルを設計した建築家が設計した、2021年の年末にも着工する予定のカーボンニュートラルのマンションの完成見込み図が下。

すごいです。これも、維持が、きっと大変なんだろうな。

でも住む人たちは、自然にしかない周波数に囲まれて暮らし、気持ちがいいんじゃないかなぁ。

 
 
 
 
 
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通常の3~5倍の広さのバルコニーがあって、木が1000本、植物が2万本、250種のコンビネーションで植わるんだそうです。

すごい、生物多様性……!

ソーラーパネルもつけるし、ビル全体でCO2の排出分を吸収分で相殺する、「カーボンニュートラル」のビルになる予定なんだそう。

unbuiltではなく、竣工するのだから、実際にどんなすがたで植わってできあがるのか、楽しみですねぇ。

人新世(アントロポセン)の商業センター

下は、深圳の複合施設の設計だそう。こんなのできたら見にいきたくなっちゃいますね!

 
 
 
 
 
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日本にも、いま建築中の下があります。

森ビルの「虎ノ門・麻布台プロジェクト」だそうです。

 
 
 
 
 
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超高層部分と低層で緑の部分、全体としてどうバランスとれるのかがいまひとつ想像できませんが、2023年にはできあがるそうなので、東京の未来設計のひとつとして、見に行ってみたいと思っています……

 

おうちのカーボンニュートラル

今年は植物との接触を増やす予定です。

自分のおうちのベランダにも、もう少し植物をふやしてみたくなってきました。

たとえばわが家がカーボンニュートラルをめざすためには、そもそもどれくらい排出しているのかを知らなくてはならない。

千葉県水道局がアップしている資料を見つけました。

https://www.pref.chiba.lg.jp/shigen/documents/co2home2018.pdf

下準備として必要なのはこちら

(1)1か月分の電気使用量のお知らせ
(2)1か月分のガス使用量のお知らせ
(3)1か月分の水道使用量のお知らせ(2か月分のお知らせを半分にした量)
(4)(あれば)1か月分の灯油使用量がわかる伝票など
(5)(あれば)1か月分のガソリンまたは経由使用量がわかる伝票など
(6)(あれば)1か月分のごみのうちプラスチック類などの量(重さ)

※(6)は1か月間、ごみを捨てるたびに自分でプラスチック類などの重さを調べます。
※二酸化炭素の量は季節により異なるので、1年分の量も調べてみましょう。

どう考えても(6)が一番難しいですね……!

計算式は上のリンクにあります。うちも、計算してみて、現状を把握してみたいと思います。

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執筆者について

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本やムックの編集者、時々ライター、一般社団法人 日本マクロヘルス協会理事。3人の子を育てる高齢出産ワーキングマザー。編著に『子どもを守る自然な手当て』、企画・翻訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』『親子で楽しむ おむつなし育児』など。大人向けのノンフィクションや小説、実用書、児童文学、絵本など、多くの出版物を編集・製作中。趣味はマンガ読み。

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