炊飯器が買い替えどきです。
ちょっと前から、どうしたものかと悩んでいました。
「美味しく炊ける炊飯器ってかなり高いじゃない?」と友人に話すと、「私、炊飯器使ってないから」という声もちらほら聞こえてきます。
そうですよね。私も3人目が生まれるまでは、しばらく土鍋で炊いてました。
なんてったって、美味しいので……。
この際土鍋に戻そうかと考えてみると、うち、長女に炊飯を頼む機会が増えてたんです。
精米からやらせてるので、普通のごはん炊きより工程が多いです。
そのうえ土鍋だと、たぶんハードルが上がって、私の仕事が増えると予想されました。
うち分づき米なので、お米とお水が同量じゃないんですね。
しかも3人目はまだもうちょっと軟らかいほうが食べやすいのもあって、水の量を規定より増やしているのですが、それが長女には、ちょっと面倒みたいなんです。
あ、小学1年生から簡単に使える精米機はこちらです。
スペースも取らないのでいいですよ。
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うちにあるのはもう一世代前のタイプなので、同じ値段で高機能な感じが羨ましいです^^
蒸気で炊く炊飯器
子どもの便宜を考えると、まだ炊飯器があった方が楽な気がするけど、どうしよう……と迷っていると、ありました、可愛くて、美味しそうで、高すぎない炊飯器が。
蒸気で炊飯するBALMUDA The Gohan。
デザインがとても素敵です……。
https://www.balmuda.com/jp/gohan/
ただこれ、保温機能が付いてないんです!
夕方ギリギリまで仕事のことも多いから、毎食炊くのは無理なのに。
美味しく炊けば冷めても美味しい、って言われても、冷めたものは食べたくないときだってありますよね。
逆に、冷めてもいいなら、土鍋でいい気もします。。。
なぜ分づき米なのか?
そもそも、自動炊飯器には設定されていることが多い、「浸水時間」のことが気になっていました。
上にも書いたとおり、わが家は分づき米です。
栄養バランスと、消化の良さを考え、以下に書いていく理由も考え合わせ、分づきにしています。
今は3分づき。
体調的に難のある人が多いと、5分づき、7分づきにすることもあります。
消化と栄養バランス的には5分づきがいいと言われていますが、5分程度だと、白米にどんどん似てくるので、特に上の子が、量を食べ過ぎるんですよね〜。
玄米にしない理由
子どもは、玄米をじゅうぶんに噛めないからです。
玄米は、口の中でドロドロになるくらい噛んで食べればとても良い、というものです。
噛んで噛んで少食になるくらいがベスト。
できればwhole foodを食べたいし、玄米の栄養価を丸ごといただきたいのは山々ですが、消化に負担がかかる状態で食べるなら分づきの方がいいという判断です。
私自身、そもそも子どもに用事を申し付けられ座って食べられないことも多く、ゆっくり噛めない状況にあることも多いのですが、子どもたちは、もっと噛めないですね。
小さければ小さいほど噛めないです。
また、子どもが玄米を嫌がることもあります。
子どもは陰陽の区別でいうと陽性なので、しかも今うちは動物性食品(陽性)もとっているので、もともと陽性の子どもが、主食に陽性の玄米をとったら陽に偏りすぎというか、苦しい局面があるのは納得できます。
玄米の発芽毒(発芽抑制因子)とは
玄米には(玄米に限らず種状態のものには)発芽を抑制する成分があります。
そうでないと置いてるうちに芽が出てしまいますよね。
その抑制因子はアブシジン酸というのですが、Wikipediaから引用すると、
アブシシン酸(アブシシンさん、アブシジン酸、英: abscisic acid、ABA)は、植物ホルモンの一種。(中略)休眠や生長抑制、気孔の閉鎖などを誘導する。また乾燥などのストレスに対応して合成されることから「ストレスホルモン」とも呼ばれる。
Wikipediaより
アブシジン酸(ABA)は、乾燥した状態で種(玄米)が眠りながら生きていることを手助けし、発芽も抑制します。
それを食するとどうなるかというと、細胞のミトコンドリアを傷つけると言われています。
アブシジン酸が傷つけるミトコンドリアとは
生物で習いますよね。
安保徹先生の本などを読めば、人間の細胞内でミトコンドリアが重要な活動をしていることがわかります。
解糖系(酸素嫌い)の回路は、酸素を使わずに糖を分解してエネルギーを作っています。
このエネルギーは分裂と瞬発力のために使われています。
細胞分裂盛んで、瞬発力というか突発力というか、とにかく急な動きの多い(笑)子どもは解糖系寄り。
子どもがごはんが好きなのは納得ですよね。
一方でミトコンドリア系のエネルギー回路があり、こちらには酸素が必要です。
持続的な仕事をするときにこのエネルギーが使われています。
寝てようがなんだろうが持続しなくてはならないので、心筋とか、脳細胞にはミトコンドリアが多いそうですよ。
酸素があれば動くと思えば、それはそうかな、と思います。
青汁だけで生きていける人は、ミトコンドリア優勢だと説明されます。
人間も歳をとったら、そっちの方が「持続する」=長生き。
わかりやすいです。
ともかく、酸素好きと酸素嫌いのエネルギーバランスが崩れると、私たちの細胞にはどちらもあるのですから、うまくいかないわけです。
ミトコンドリア=持続力を守りながら、玄米=栄養豊富な糖質をとりたいですよね。
だから、玄米をとるときには発芽抑制因子はオフにしたいと思う。
どうすればいいかというと……発芽させればいいんです!
発芽させれば消えますし、熱にも弱いそうなので、その毒性については心配は無くなります。
さらに、発芽することで栄養も増すので、じゅうぶんに浸水させる昔ながらの知恵のメリットが、ここにもあります。
昔の人って……というか、長年の蓄積って、すごいですよね。
発芽玄米、発芽の目安
発芽といっても、本当に芽が出る必要はありません。
目安は、ぷくぷく泡が出てくるくらい。
季節によりますが、一晩でだいたいぷくぷくしてきます。
そのぷくぷく水ごと炊いてしまえば栄養がある、という説もあるんですけど、ちょっと乳酸発酵っぽい匂いがするので嫌って入れ替える人も多いです。そこはお好みでいいのでは、と思いますね!
(乳酸発酵臭や雑菌繁殖に備え、お塩を最初から入れてしまう人もいます。そこもお好みでいいのではと思います)
玄米の美味しい炊き方
発芽玄米にして、玄米専用の土鍋で炊くと、安心だし、すごく美味しいご飯が炊けます。
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この土鍋、適切な圧がかかるんだそうです。
圧力なべも、不自然な圧がかかるので、何かが変質するという説はありますから、この土鍋が一番いいかな!と。
自分比較ですが、他の玄米土鍋よりやわらかく炊けると思います。
うちにあるのは、5号炊き用です。
重くて、かさばるのですが、玄米をよく召し上がる方には、その価値はありますよ。
あと、2号炊きもあるみたいです。
一度にたくさん炊かないご家庭なら、それで十分ですよね。
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追記:
職人さんが年齢によるご引退のため、この土鍋、手に入らなくなってしまったようです。
美味しかったのに……!と大ショック。
「玄米飯炊釜」の代わりはないか!?と複数種の圧力鍋、土鍋、玄米専用の電気炊飯器と炊き比べた結果、軍配が上がったのはマスタークックでした(玄米炊き比べのイベントを行いました)。
マスタークックは6号で炊くのが一番美味しいそうです。
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イベントで炊き比べると面白いのが、本当に人によって、一番美味しい炊き方は違うということ。
つまり人によってはマスタークックが一番ではないです。
こういうの、大人数で食べるがゆえの実感がありますね。
もちろん体調によっても違いがあるそうです。
玄米イベントも、また開催する予定ですが、現状、イベント告知はメルマガで終わってしまうことが多いです。
ご興味ある方は、らくなちゅらるなメルマガへの登録をお願いいたしますm(_ _)m。
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分づき米と植物の食害抵抗性
玄米の場合は、一番気になるアブシジン酸問題は、浸水時間をじゅうぶんにとることで解消できます。
では、分づき米ではどうなの?ということで。
それが、生きてるのに中途半端に傷がついてるから、攻撃された!と思った種は、より一層、毒性を増すという説明があります。
例えば虫に食べられるとジャスモン酸を出したりして全身毒性を増した植物になる、という状況があり得るのですが、分づき米は、全身傷つき、食害に近い状態ですよね。
同じくWikipediaから引くと、
ジャスモン酸(ジャスモンさん、jasmonic acid)は植物ホルモン様物質。果実の熟化や老化促進、休眠打破などを誘導する。また傷害などのストレスに対応して合成されることからエチレン、アブシジン酸、サリチル酸などと同様に環境ストレスへの耐性誘導ホルモンとして知られている。
Wikipediaより
さらに浸水させて、休眠から目覚めさせてしまうと、いろんな意味で、毒性が増してしまう可能性があります。
もともとはオーガニック系の食品販売サイトで、「分づき米ではアブシジン酸の問題がさらに顕著になる」といった趣旨の文章を読んだのですが、環境耐性と食害抵抗性は別のもののようです。
いずれにせよ、農薬の研究者から、残留農薬よりも虫食いの毒性のほうがこわい、といった発言を聞いたこともありますから、植物の身になれば、生きながら削られて毒性が増すのはありうると考えました。
(残留農薬と食害抵抗性の比較について、精査したことはありません)
白米くらい削ってしまっていたら逆に問題になりづらく、玄米では浸水で解消できるものが、中途半端に削る分づき米では浸水で解消されないどころか悪化する、という可能性はあると思ったわけです。
なので、できるだけ浸水しないで、ごはんを炊くようにしてみたところ。
炊きたては大差ないんですけど、置いておくと、すぐに硬くなるんですよ。
炊飯器の場合は自動で浸水時間がとってあるし、うちにあるような(壊れかけてるけど)玄米も炊けるような電気炊飯器って加圧するから、そんなに目立った違いはないのだけど、普通の土鍋で浸水しないで炊くとてきめんです。
それはそれでチビは食べたがらない。サァどうする?
と思った時に、解決策になったのが、冷蔵庫での浸水でした。
分づき米の美味しい炊き方
玄米の発芽も、夏場行きすぎになる時とか、冷蔵庫で止めるんですよね。
分づき米の浸水も、冷蔵庫に任せたら、休眠状態で余計なABAは産生されないのではないかしらと。
「ごはん同盟」の方たちの、白米の美味しい食べ方、「冷水で2時間」浸水を参考にしました。
で、冷蔵庫に2時間入れるようにしたら、土鍋で炊いて、時間が経っても硬くならなくなりました^^
そのまま炊飯器に保温のために入れると、前よりは気持ち硬くなるんですけどね。
加圧してないからかな。
でも、許容範囲です。
という風に、実験しているうちに、土鍋ごと2時間浸水させるところまでは私が仕込み、炊くのは上の子、という新たなバリエーションもできてきました。
今は、ですので、土鍋でお米を炊いています。
冷やごはんを温める必要があるときは壊れかけの炊飯器で保温だけしてますけど、冷めたお米を何で温めるかの問題も、良いものを見つけたので、近々解決されます。
うち電子レンジ使わないので、温めにレンジでチンはやらないんですよ。
必要があれば蒸すんですけど、主食を毎回蒸すのはしんどいので。
新規導入予定の健康家電については、またレポートしますね!
【参考文献】
● 解糖系とミトコンドリアの話についてはこちらをどうぞ。
● アブシジン酸について
(科学技術振興機構、理化学研究所、東京大学の共同研究のレポート)
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20090922/index.html?newwindow=true
● 以下の記事には、発芽玄米に関する話が出ています。頭の体操になって面白いです。
農薬研究者に聞いた食べ物の安全の話
追伸:
分づき米を一切浸水しないで炊くようになった話を追記しました。
土鍋を使います。
↓ ↓ ↓
浸水しないで安心な♪ 分づき米の炊き方
☆ 望月 索 ☆
自分に“ちょうどいい”から気持ちいい。
らくなちゅらるライフプランナー
こんにちは。分つき米の危険性について調べていたところ、こちらの記事にたどり着きました。
細かく丁寧な調査と説明、またうちも乳幼児がいるため子供に関する記載もあり非常に興味深く拝見致しました。
本題の分つき米ですが我が家も5分つき米を食べています。玄米のように十分に浸水させることでABAの懸念が無くなるかと思っていましたが、逆に毒性を呼び起こしてしまうのですね、、。私も浸水させた方がふっくらと美味しく食べられると感じましたので、夏場は水を変えながら丸一日は浸水させていました。冷蔵庫に入れることで毒性を呼び起こさずに浸水させることができるのでしょうか。
お米の他にも、無農薬野菜を買うようにしていますが、他の野菜に関しても虫食いは植物自体が毒を発生させるのですね、、。
何を選んで食べるのか、永遠のテーマです。
また他の記事も拝見します、ありがとうございました。
コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまったので、ご覧になっていただけるといいのですが。
一般に五分づき米は、消化のバランスがいいとされていますから、体感的に大丈夫なら、そんなに心配いらないかもしれないです。
削れたぬかは、ふりかけにしたら玄米的な栄養もとれると、マクロビの大家が言ってはりました。
新鮮なぬかはほの甘いし、精米したあとそのまま(炒ったりなどもせず)ふりかけで食しているそうですよ。
えみかなさんちに合うスタイルで試して見てくださいね!