人によって、疲れた時、癒されたい時に、読みたいものは違うと思います。
マンガに限っても、
子育てマンガに共感することもあれば
ストーリーマンガで気分転換することもあれば、
今ちょっと恋愛足りないの。とか、そういう向きもあるかもしれないですね!
この項は特に厳密な定義はなく、私が好きで、ママ友に貸したいマンガを書いていくイメージです。
これ読んでみて〜〜って、子どものいるマンガ読みに言いたいマンガを思いついた時に、ちょこちょこ書き連ねます。
大島弓子 作「ロストハウス」(読み切り)
大島先生のエッセイでないストーリーマンガはこの本が最後じゃないかと思っています。
大島先生に紹介必要かな?
いらない、としか思えないのですが、一応。
大島 弓子(おおしま ゆみこ、1947年(昭和22年)8月31日 – )は、日本の漫画家。萩尾望都・山岸凉子・竹宮惠子達と24年組と呼ばれる一人である。
Wikipediaより
Wikiに代表作がわかりやすく載ってませんでした。
一般には『綿の国星』、『毎日が夏休み』(たくさんある映画化作品の一つ)、『グーグーだって猫である』(最近の映画化作品)あたりかと思います。
『ロストハウス』は大判の単行本だったんですが、今は文庫になってます。
繊細な絵なので、本当は大きい版で読むほうがいいですね。
読み切りが5作入っています。
これがまた、名作ぞろいなんですよ。
急速に老化していく少女という、親になってみるとかなり強烈なテーマを扱う作品(「8月に生まれた子供」)や、事実婚状態で農村移住(&就農)した新卒カップルの女性のほうが葛藤する作品(「青い 固い 渋い」)も読み応えあります。
ここでは、表題作の「ロストハウス」を。
ネタバレしたくないので詳細は書きませんが、家事をオーガナイズすること、掃除を頑張ることの大変さに日々直面してる私たちを、別の角度から解き放ってくれます。
子どもにとってどんな環境が暮らしやすいかという、おうちの居心地の良さについてもね、考えさせられる。
でもまぁ、こういう説明は、作品の良さを何も伝えてません。
私は、これを読んだら、ぜんぶ放り出して放浪の旅に出たくなります。
あるいは、すでに旅に出かけたような気持ちになります。
読み終わった時に、目の前で、世界への扉が開かれますよ。
とても気持ちがいいので、ぜひ!
萩尾望都 作『AWAY ➖アウェイ』
大島先生と萩尾先生って、なんか鉄板すぎてすみません 😛
大島先生に紹介のせたから、萩尾先生ものせます。
萩尾 望都(はぎお もと、本名同じ、女性、1949年5月12日 – )は、日本の漫画家。女子美術大学客員教授。
代表作は『ポーの一族』、『トーマの心臓』、『11人いる!』、『残酷な神が支配する』、『バルバラ異界』など。
作品のジャンルはSF・ファンタジー・ミステリー・ラブコメディー・バレエもの・心理サスペンスものなど幅広い分野にわたり、竹宮惠子・大島弓子らとともに「花の24年組」と呼ばれ、中でもその代表格、さらには「少女漫画の神様」とも評せられている。その作品は文学的あるいは文学を超えているとも言われ、文化人たちが多く批評の対象としている。
2012年春に少女漫画家では初となる紫綬褒章を受章した。Wikipediaより
萩尾先生は、完全に現役でらっしゃいます。
今『ポーの一族』の続編が始まってますね。
「半神」という大変短い読み切りは、母向けにもおすすめします。
シャム双生児の片割れの女の子が主人公です。
あるマンガ家さんが、この短編が16ページであることに驚愕した、と書かれていましたが、実際、最小単位とは思えないくらい濃い読後感の作品です。
さて、『Away』は、SF作家の小松左京企画・原案となっています。
小松左京に「お召し」という短編小説があるんですが、その短編が、原案ですね。
私はそちらの方は読んだことないのです。
たぶんかなり違うものになっているから、原案なんだろうと予想します。
『Away』でも「お召し」でも、世界がある日突然、大人の世界と子どもの世界に別れちゃうんですね。
『Away』の物語は、子どもの世界中心に語られます。
ものすごくリアルで、そして、親にとっては想像するだに痛くて怖い作品。
何人ものママ友に貸したのですが、え、これまだ続くんじゃないの? たった2冊で終わり? もったいない!ってお声があちこちから聞かれました。
そう、たった2冊なんですね。
1冊読んだら間違いなく続きが気になるので、買って読む気のある方は、2冊同時購入をお勧めします。
萩尾先生お子さんいらっしゃらないはずなのに、親の心理もさすがのリアルさです〜。
ある日突然、子どもが子どもたちだけの世界にいっちゃうなんて……。
その世界で子どもたちがどうするか、どうなっていくか。
没入するに足る作品なんですけど、ふと自分をかえりみれば、子どもが目の前にいることそのものに改めて感謝できたり。
ぜひぜひ子どもがそばにいることの喜びを、再確認してください!
よしながふみ 作『愛すべき娘たち』(全1巻)
母子3代の心理描写が描かれる作品です。
よしながふみさんのプロフィールを。
よしなが ふみ( – )は、日本の漫画家。女性。慶應義塾大学法学部卒。同大学院法学研究科中退。
(中略)BL誌連載作品だけではなく、青年誌や少女誌連載作品にも、男性同性愛者(ゲイ)が登場する作品が多い。同人活動においては、男性同性愛をモチーフとした作品群を発表している。Wikipediaより
ああ、やはり法学部でらっしゃいましたか。
『1限めはやる気の民法』(全2巻)とか、法学部でないとさすがに書けない内容でした。
代表作は、映画にもなった『大奥』(今も連載中)、かと思います。
男女逆転大奥という設定は、時代劇SFとかうたわれていたかな。
同性愛、異性愛を超えて、面白いです。
よしながさんといえば、ドラマになった『西洋骨董洋菓子店』も、おいしそうなお菓子の出てくるマンガを読みたいときにおすすめします。
洋菓子のウンチクや描写だけでも楽しめます。
さらに、ストーリーとしても、異性愛の男性まで虜にしてしまう「魔性のゲイ」である天才パティシエが活躍したり、途中までは単に面白かったものが、予想もつかないドラマ展開となるので、持っていかれちゃいますね。
が、ここで紹介するのは『愛すべき娘たち』。
佳品です。
ボリュームたいしたことないので、いいもの読んだ!って感じで楽しめます。
よしながさんはいつもそのような感じなのですが、さらっとすごい内容が描かれている感じ。
親も人間で、完璧でないことが、大前提となっている作品です。
今まさに子どもと人間かんけい構築中の親が読んで、なんとなく襟を正すようなお話です。
子どもが子どものうちに読んで、子どもが大人になっても人間関係が続くとしたら、こういう形はありなのかもなぁ、と思えますね。
(登場人物は親子三代で、祖母と母はうまくいってない、母と娘はうまくいってる。なので、うまくいってるほうの形ならいいな、って感じかな!)
女子の母はぜひ^^
尾崎 衣良 作『深夜のダメ恋図鑑』(現2巻、続刊)
旦那に腹が立つ時にぜひ〜。
作家さんのプロフィールをWikipediaから。
1997年、『りぼんオリジナル』10月号掲載の「通りすがりのLOVIN’YOU」で三浦 衣良の名でデビュー。(中略)
読みきり・連作のほか、旅行エッセイである「世界のユカイな車窓から」を2012年まで不定期に執筆し、単行本の箸休めとして掲載されていたが、2010年以降執筆分は単行本収録されていない。
2014年現在、『プチコミック増刊』にて「深夜のダメ恋図鑑」を連載中。
Wikipediaより
三浦衣良……? 大島弓子の名作、「バナナブレッドのプディング」の主人公名ですね!
ブログに載せるために検索したら、やだなぁ、めったに手に取らない類の作家さんなのに面白い、と思ったら、大島先生ファンだなんて!
「世界のユカイな車窓から」が読みたいです。
たぶん、好きなテイストなのではないかな、と思います^^。
さて、この『深夜のダメ恋図鑑』では、典型的なダメ男子が出てくるのですが、独身女子がそれを一刀両断に切るのが笑えます。
典型なのでね、浅いんですけど、いや〜いるわ。こういうパターンだわ。という。
家事その他を女子に依存してはばからない男子を切るとき、不倫しようとする男性をバッサリ切るとき、全くシリアスでないので、ライトなカタルシスしか発生しない貴重なマンガです。
リアルなものって、自分の中に「真剣に溜まってる何か」の解消にはならないじゃない?
正直言って、独身女性はまだ気楽ですよ!
おひとり様をこじらせた悩みは、高齢婚のわりに私は経験してないですが(谷川史子『おひとり様』物語はまったく共感できません・・・)、東村アキコの『東京タラレバ娘』を読んでいたらそのあたりの苦悩もあるだろうと予想できます(連載で読んでるので単行本での掲載は不明ですが、連載のおまけになってる東村先生の人生相談「タラレBar」は、主婦目線でも、ブレずに面白いと思います!)。
でも、シングルに悩む人も、結局自分の自我の面倒だけ見てたらいいですもんね。
自己管理は全ての大人の共通のテーマなので、それはこの際おいておいて、自分のメンタル及び、子どもと、大人のはずなのにいつまでも少年を引きずりかねない旦那の面倒まで見ていることが多くある、母親の面倒って、やっぱ独身の頃には想像できないと思います。
少なくとも私はできませんでした。
多くのママ友の話を聞いていても、できないよねぇ……?
独身女性主人公のものは、通り過ぎてしまって「使えない」ケースが多々あるんですけど(独身の頃は面白かった伊藤リサの『チューネン娘。』も今は全然ピンとこないしなぁ)、『ダメ恋図鑑』はシンプルに面白かったですよ。
本当に重い悩みがある向きにも、気軽に読み飛ばせるのではと思いますね。
頭使わなくて、軽いカタルシスのある、母の娯楽にもぴったりの作品と思います!
森薫 作『乙嫁語り』(現8巻、続刊)
中央アジアや遊牧民に興味があったり、旅行に行きたい人におすすめしたいです。
シルクロードの世界がここに。
作家さんのプロフを引くと、
森 薫(もり かおる、女性、1978年9月18日 – )は、日本の漫画家、同人作家。東京都出身。代表作に『エマ』など。(中略)
『乙嫁語り』は2011年にマンガ大賞2011の2位を受賞、2012年に第39回アングレーム国際漫画祭世代間賞、2013年にマンガ大賞2013の2位を受賞、2014年にマンガ大賞2014では大賞を受賞した。2014年7月には、『乙嫁語り』の中央アジアを舞台にした事が縁で、外務省の「中央アジア+日本」対話10周年を記念したイメージキャラクターを手掛け、交流促進に貢献した。
Wikipediaより
目を引くと思ったら、賞ものマンガだったんですね。
外務省のサイトにイメージキャライラストありました。
……単純化しきれない描き込みの多さが、キャラにまで生きている(笑)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_001038.html
『乙嫁語り』は激しい物語があるわけではないのですが、精緻な書き込みが目を引き、文化背景的なリアルさも感じさせるので、旅に出たような気持ちになります。
食べ物の描写も細かいので、そういうのが個人的に嬉しいです。
食欲に訴えるからかなぁ。
小学生の娘もこの作品好きですね。
美味しそうなものって、世代を超えて訴えますよね!
☆ 望月 索 ☆
自分に“ちょうどいい”から気持ちいい。
らくなちゅらるライフプランナー