教育・しつけ

子どもの手本になるってどういうこと?親が知っておくべき子どもの特徴

子どもの手本になるってどういうこと?親が知っておくべき子どもの特徴

家族で過ごす時間が増えた2020年、あっという間に新年を迎えた、という人も多いのではと思います。

ここで、2020年に痛感したことを振り返りたいと思います。

 

見本やお手本がないとどうなる?

新型コロナウイルスの感染対策で、休園/休校になった期間、大変な思いをした親御さんは多かったろうと思います。

わたしも大変でした。

あまりに大変だったので、なぜ、ふだんの長期休暇より大変に思えるのだろう?ということを、生活リズムができてきたときに、自問自答しました。

そこで思いついたのが、ふだんの長期休暇の場合、学校の先生たちのおすがたや指示が、きっちり生きているぶん親が楽をできていたということ。

日常のルーティンがない期間にいきなり放り込まない。

長期休暇に入る前に、大人が、子どもに、過ごし方の見本を見せておく必要があったんです。

 

ヒトほどサルマネするサルはいない

ヒトに「模倣する」という特性があるのは、子どもを見ればわかります。

とくにきょうだいがいる場合、下の子は上の子をむちゃくちゃ真似しますよね。

実際、ヒトほど猿真似するサルはいない、といわれています。

たとえば、下の実験です。

ヒトとチンパンジー、箱をあける動作の模倣実験

チンパンジーの前で、ごほうびの食べ物の入った箱をあけてみせることで、手本を示します。

最初に使われる箱は、透明です。

お手本を見せる人の動作には、箱をあけるのに必要な動作と必要でない動作がまじっています。

箱は透明ですから、チンパンジーは、何がどうなって開いていくのかをよく理解します。

そして、次に、同じ形だけれども、不透明な箱を、チンパンジーにわたします。

するとチンパンジーは、「必要でない動作」を無視して、ふたをあけます。

……かしこいですよね!

この一連の工程を、就学前の子どもたちに対しておこなうと、どうなるか?

チンパンジーと違い、「必要でない動作」も含めて、お手本通りに再現する傾向が高かったのだそう。

それが「必要でない」とわからなかったわけではなく、むしろ、動作よりも、手本役に集中しているとの分析でした。

手本役が「箱をあける」という目的に必要でない動作をしているとわかっていても、お手本どおりに動くことを優先するわけですね。

これ、見られる大人として、襟を正しませんか?

叩くしつけで子どもが覚えること

「子どもは〇〇の鏡である」といいます。

〇〇に入るのは、「大人」だったり「親」だったり「社会」だったり、いろんなバージョンがあると思います。

いずれにせよ、模倣の天才である子どもは何かの鏡である。

たとえば、子どもを叩くことには意味がない。

なぜなら、叩かれた子どもが覚えるのは、叩かれた理由となる教育的内容ではなく、叩くという大人の行為そのものだから

子育てを始めて浅いころ、これは忘れてはならない内容だと思いました。

出典だと思っていた本を読み直したのですが、原点の文章が見つからず、見つかったら追記いたします。

 

お手本がないときにヒトは何を見るか

もうひとつ例をあげます。

人間の子どもは、大人もですが、猿真似のお手本がない時は、どうするか。

答え:

他の人のやってることをまねしたり、他の人が見ているものをまねします。

それを立証した実験があります。

食べている動画を子どもたちに見せ、どれを食べたいか選ばせる、選択の実験です。

次の動画のうちどちらを選びますか?

(1)お手本が食べるのを、見物している人たちがいる動画

(2)お手本が食べるのを、見ないでよそ見している見物人がいる動画

(1)と(2)のどちらの食べ物を食べたいですか?

当然、(1)ですよね!

猿真似すればすむわけではないときは、他の人を手がかりに、模倣するわけです。

 

ここで、“先生のディレクションのない突然の長期休暇”の話にもどります。

お手本もディレクションもないとき、親にたいする子どもたちの集中が高まるのを感じました。

だから、どこの親も、家庭教師役を引き受けたのだと思います。

圧を感じるのですね。

通常の生活においてやっていた、あの学習の時間を再現するために、やることを教えてほしいと。

結果、気が抜けない大人が、大変だったのかもしれません。

子どもは親の背中を見て育つとはよくいわれますけど、どうしていいかわからない子どもたちがうちにいると、本能的に子どもの圧を感じやすいのが親なので、親に圧がかかる。

 

子どもはみんなで育てるもの

しみじみと感じていますが、ヒトは社会的動物です。

子どもは一人で育てられません。

常日頃指導してくださる先生方への感謝が深まる期間だったかと思います。

オンラインコミュニティも、いまなら子どもを育てる空間のひとつ。

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執筆者について

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本やムックの編集者、時々ライター、一般社団法人 日本マクロヘルス協会理事。3人の子を育てる高齢出産ワーキングマザー。編著に『子どもを守る自然な手当て』、企画・翻訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』『親子で楽しむ おむつなし育児』など。大人向けのノンフィクションや小説、実用書、児童文学、絵本など、多くの出版物を編集・製作中。趣味はマンガ読み。

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