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親子に響く癒され絵本5冊:母は原点に還り、子どもは「表現」を獲得する読み聞かせ

親子に響く癒され絵本5冊:母は原点に還り、子どもは「表現」を獲得する読み聞かせ

読むたびに、ああ、いい内容だな〜と素直に思える絵本があります。

親が「良い絵本」と思って買うものが、必ずしも子どもにウケないのは定石です。

良書と分類されるような絵本が本棚の肥やしになって、アンパンマンやディズニーのようなキャラクターもののほうが人気があることってよくありますよね(キャラクターものを否定しようとは思っていません、念のため)。

でも、中には、親子ともに楽しめる、「エンターテインメント」や「教育」を超えた、大切なことを教えてくれる絵本があります。

ここでは、母親が「忙しいけど本当はこうなんだよね」と初心にかえり、子どもが「こういうふうに伝えれば、考えればいいんだね」と思える絵本をご紹介します。

『こころからあいしてる』ジャン‐バプティステ バロニアン(著), ノリス カーン(イラスト)

これ本当にいい絵本です。

ふわふわしたアプローチのものは珍しくないと思うのですけど、この絵本では、「母が子を愛している」という事象を、羽や腕や目など身体の部位で行う、具体的な動作に落とし込んでいます。

読みながら、動作で再現してあげると、子どもにもさらに伝わりやすい。

良い本をありがとうと、作者さんに感謝したくなる絵本ですね。

何かを見失いそうになった時、読み聞かせながら、子どもを愛することの意味を、具体的に教えてもらえる気持ちになりますよ。

『ママがおこるとかなしいの』せがわ ふみこ (著), モチヅキ マリ(イラスト)

子どものことばって、ことば通りじゃないことって必ずあって、本当に伝えたいこと、その裏の意味を考える必要があることが、どうしてもあります。

めんどくさいな、と思うことももちろんあるのですけど、子ども本人にとっても「言いたいことを伝える」訓練は必要です。

この本は、子どもが自分の感情を腑分けするヒントになると同時に、親が子どものことばの真意を読み取るとはどういうことか、という基本を、ちょっと痛い思いもしつつ、改めて確認できる絵本です。

こんなに短く、わかりやすくまとめられてしまうことに、すごいなぁと思いますね。

『バーニー、いつまでもいっしょだよ』

すでに絶版です。古本で手に入りますが、図書館で探していただくしかないかもしれません。

大切なペットが死んでしまった子どもが、死を受け入れていく過程を、お涙頂戴要素をまったく入れず、表現した絵本です。

それをリアルに感じられる子どもは、お涙要素はすでにその子の中にあるからそれ以上は必要がない、自分が癒されていく過程を、この本から読み取れれば有用です。

それをリアルに感じられない子どもは、そういうものなのか、と現象として記憶し、いつか呼び起こすでしょう。

親としては、説明が難しいところを、やはり現象として伝えられるので、メンタルなバランスのよい絵本です。

読み聞かせしてあげて、こういうものだと、子どもに教えてあげるのは大切なことではないでしょうか。

『ぼくにげちゃうよ』マーガレット・ワイズ・ブラウン (著), クレメント・ハード(イラスト)

これも、母が子どもを愛していることを伝える絵本ですが、上の『こころからあいしてる』のような身体部位に直結するものではなく、話しことばで子どもをどんどん追いかけていく物語です。

うさぎのお母さんがクールで愛情たっぷりでいい感じ。

子どもが大好き!って直接的に伝えられる絵本は、こちらの気持ちもまぜこめますので、一緒に読むと、親子ともにほっこりしますね。

大変有名な作家さんで、『おやすみなさいおつきさま』が、オバマ元米大統領や、現皇太子妃・雅子様が小さい頃に読んだ絵本としても有名です。

『おやすみなさいおつきさま』マーガレット・ワイズ・ブラウン (著), クレメント・ハード(イラスト)

この『おやすみなさいおつきさま』は、『ぼくにげちゃうよ』とのつながりも感じられる作りになっています。

今回の趣旨とは少し違いますが、『おやすみなさいおつきさま』は、寝る前の行事として取り入れるのにいい本ですよ。

毎晩の最後の一冊として、定着させてしまうのもいいんじゃないかな、と思います。

寝る前に静かに癒されますね。

 

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執筆者について

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本やムックの編集者、時々ライター、一般社団法人 日本マクロヘルス協会理事。3人の子を育てる高齢出産ワーキングマザー。編著に『子どもを守る自然な手当て』、企画・翻訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』『親子で楽しむ おむつなし育児』など。大人向けのノンフィクションや小説、実用書、児童文学、絵本など、多くの出版物を編集・製作中。趣味はマンガ読み。

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