妊娠中や授乳中は、コーヒーは配慮としてひかえめになりますよね。
その流れのまま、「コーヒーはからだに悪い」となんとなく思っている人、多いと思います。
「初めて飲んだ時におなかを壊して以来コーヒーは飲めない」と言う知人もいます。
実際、コーヒーが胃腸にきた、という体験を語る人はかなり多く、かくいうわたしも、心当たりがありますね。
刺激物であることはたしか、と思う一方、コーヒーは古来からスーパーフードであるはず。
最近気付いたことがありますので、書いてみたいと思います。
コーヒーの歴史とからだにいい効果
コーヒーは、エチオピアから始まり、アラビアに伝わり、セイロンに伝わり、ヨーロッパに伝わりました。
詳しくは、全日本コーヒー協会のサイトを。
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/library/history
イスラームの学者が効能について多く書き残しているようですが、私としては、『信長のシェフ』(15巻)より下、
カフェインには
疲労回復、中枢神経の興奮、覚醒作用、強心作用、運動敏捷性などの効果があります。お茶が一般的に普及していないこの時代では、カフェインの効果は覿面(てきめん)のはず
というネームが思い出されます。
カフェインそのものの効果が、魔法のように思われた時代に、コーヒーは薬的な効果効能のある飲み物。
スーパーフードを超えた、魔法の飲料だったかもしれません。
コーヒーの抗炎症効果
コーヒーの抗炎症効果についても、研究が進んでいます。
糖化、酸化、炎症は、人体に慢性病を引きおこすキーワードですから、抗炎症効果のある飲料を日常生活で飲むのはかなりお勧めの習慣になるかと思います。
本稿はこの詳細を書く主旨ではないので、抗炎症効果の研究については、詳しくは、下記、全日本コーヒー協会のサイトでご覧になってください。
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/health/95health
「コーヒーはからだにいい」という全体にたつと、なぜ、からだにわるい印象が、と思いますよね?
答えは、今ふつうに飲まれるコーヒー豆の状態にあるのではないかと思いました。
コロナ自粛の期間に気づいたコーヒー豆の違い
もとはといえば、コロナ自粛期間中に、お店が閉まってしまったことに起因します。
近所の施設内にある、ふだんコーヒー(粉)を買っているお店が閉まってしまいました。
コンビニやスーパーでコーヒー(粉)を買って淹れてみたけれど、まずくて飲めません。
さらに、胃腸がおかしくなってくるんです。
コンビニやスーパーのコーヒー(粉)に問題を感じ、初めて、豆のままのコーヒーを、自然食料品屋で買ってみました。
ミキサーの付属の、コーヒー豆もひけるようなミルではじめてひいてみて、豆から淹れるのを覚えていきました。
慣れてみると、まあ多少めんどうですが、豆をひいて淹れるほうがやはりおいしい。
忙しい時は以前と同じようにひいてあるコーヒー豆から淹れるけど、ミルでひいて飲むコーヒー豆も常備するようになりました。
ところがです。
徒歩10分くらいのところにコーヒーロースターができました。
その店は、生豆をその場で焙煎してくれるお店。
そのお店で試みに豆を買ってみて、新しい世界がひらけたんです。
焙煎したてのコーヒー豆はまったく違う
渡された豆の袋を、家であけたときに、まずびっくりしました。
なんだこれは。こんなに香り立つコーヒー豆を知らない……!
ミルでひくときの感じも、ハンドドリップで淹れるときの反応もまったく違います。
雑に淹れてごめんなさい!と反省したくらいのふくらみっぷりで。
焙煎したてって、こんなにフレッシュなのか……と驚きました。
覚醒作用の違いは、カフェインが強いから?
そのお店はものすごく生豆の種類が多いお店で、
わたしは、なかでも「一番カフェインが強い」というものを選んでいました。
何十種類もあるものから選ぶ時に、そういうオーダーをしている人がいて、面白いから倣ってみたんですね。
そのせいもあるかもしれないのですが、その焙煎したてのコーヒー豆をひいて淹れたコーヒーは、かなり覚醒作用があるんです。
デスクワークの持久力があがる気がします。
そして、あとでどっと疲れたりとか、複数杯飲んでも胃が荒れる感じがまったくない。
コーヒーナップの効果も高い
コーヒーナップとは、ナップですから昼寝ですね。
カフェインの覚醒作用を昼寝に利用するもの。
お昼過ぎ、眠くなるのを見越し、20分とか30分の仮眠をとるまえに、コーヒーを飲む行為です。
脳内に増えた眠気や疲労を伝える物質は、カフェインとくっつくことで、休めというメッセージを脳に伝えないらしいですが、物質が消えるわけではない。
コーヒーを飲んだところで、物質がある以上、えんえんとコーヒーを飲む必要があり、コーヒーの量が増えるだけというか……。
なので、仮眠で物質を消しつつ、起きた瞬間にカフェインが効いていれば目覚めスッキリ!
お昼に短時間休む前にコーヒー飲むのは効果的、というのがコーヒーナップです。
焙煎したてのこの豆だと、そもそも覚醒効果が高いのでナップの必要がないのですが、それでも休みたいときのナップ効果も半端ないのです。
なにこのスーパーフードっぷりは……!?と思いました。
豆の良し悪し以上に、焙煎してからの時間では?
満足度が高いので、そこまで量を飲まなくてもいいはずが、一度に淹れる量の問題で、自分がほんとうに必要とする量より、ちょっと多めに飲んでいると思います。
でも、胃腸その他への負担は、よほど飲み過ぎない限り、感じません。
プラスしか感じない。
胃に悪いとは、思えないんですね。
白いコーヒー
白いコーヒーという、胃腸にやさしい、からだにいいというコーヒーも飲んだことがあります。
極浅煎りのコーヒーで、お茶のようにおいしかった。
胃腸にもやさしいだろうと感じました。
コーヒーを深煎りすることでの弊害はいろんなかたちでいわれているようですが、
玉ねぎを炒めるときなどに見られるメイラード反応や、説明いらないでしょう、カラメル化によりおいしさが加わるのは調理の基本でもある。
結局、コーヒー豆に、それをやってからの時間が問題になるのではないでしょうか。
料理だって、酸化したら味が落ちるしからだによくない、炒め物、揚げ物はなるべく早く食べるのが基本だし。
コーヒーを焙煎しても、酸化するまえなら、白いコーヒーのように、胃腸にもやさしいコーヒーになるんじゃないかな?
さらに、ポリフェノールなどの健康効果も、じゅうぶんに発揮されるんじゃないでしょうか。
日常にのむなら焙煎したての豆を選びたい
焙煎してから……火を入れてから、あまり時間が経っていない、というのは、知らなかっただけで、コーヒーにとってかなり重要な要件だったと思っています。
すさまじく豆が香りますから、カカオによっぱらうような、軽い幸福感を感じながらコーヒーを淹れます。
コーヒーが好きな人は、コーヒー豆を、焙煎したてで売ってくれるお店を見つけてくださいね。
わたしも、「酸化していない」をキーワードに、楽しく嗜むつもりです。