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酸化しづらい油代表、ココナッツオイルで冷えが入る?

酸化しづらい油代表、ココナッツオイルで冷えが入る?

自分の実感として、ここ数年、迂闊な油ものを外で食べると、「うっ」て思う確率が上がってます。

食べ物に気をつけ出したからか、年のせいか、劣化(酸化)した油に、ずいぶん敏感になりましたね。

油は年をとって浮上したテーマなのですが、「花粉症対策になる食べ物」で書いた油の件で、お問い合わせいただきました。

劣化(酸化)しづらい油の筆頭はココナッツオイル

油は、加熱調理に使われると特に、どんどん劣化(酸化)します。揚げものも、市販の菓子も、植物(性)油(脂)を使っているものは、かなりの高確率で酸化しています。

じゃあどの油で加熱調理するのが無難かというと、数値的には、なたね油やオリーブオイルは加熱調理しても酸化の値が許容範囲と言われてます。

そして酸化しづらい油の筆頭が、みなさんご存じ、ココナッツオイルですよね。

ココナッツオイルが酸化しづらい理由

ココナッツオイルは、ほとんど飽和脂肪酸で構成されています。

化学式の図などもよく見受けられますが、そういうややこしいものを引かなくても、飽和結合しているものが、不飽和結合しているものに比べて、化学的に安定している、というのは、字面からイメージしやすいです。

しかもココナッツオイルの飽和脂肪酸は、(長鎖脂肪酸に比べて)長さが半分くらいの中鎖脂肪酸なので、消化吸収が早く、人体のエネルギー源になりやすい……つまり太りづらいというおまけもありますが、ここでは「安定している」のほうに注目。

安定している、つまり炭素の結合の間に酸素が入りづらい(過酸化物質を作りづらい)、ということは変質しづらいんですね。

加熱調理における変質にも強いです。

行きつけの自然食料品屋で手作りのポテチを置いてるんですが、それを揚げてるのがココナッツオイル。
ビニール袋に入っているだけの包装で、店頭でそれなりの時間たっているだろうに、油の嫌な感じが全くしないんです。

それはやっぱりすごいです。私も、お弁当など長く置いておくものや揚げものは、優先的にココナッツオイルを使っています。

……ココナッツオイルで揚げものしてるお店は、たくさんはないだろうなぁ。

ココナッツオイルは人類に良い食品?

正常分子栄養学の森山晃嗣さんが、ココナッツオイルのこと、「人類に良い食品」とおっしゃっていました。

まぁ実際いいと思って、うちでも使っています。

香りがよくて美味しいのは、ココウェルだと思います。さすが老舗。

 

ココウェルのオイルは調理に使うのもったいなくて、パンに塗ったりしてそのまま食べています。
バターは滅多に、マーガリンはほぼ完全に使いませんから、これは重宝ですよ!

一方、調理に使うものはあまりココナッツが香ると風味が限定されるので、ナチュレオを使っています。

 

化粧品ぽく加工するのもナチュレオですね。

顔につけるものとしては少々ヘビーだったので定着しませんでしたが、例えば手作りリップクリームを作る基材としてすっかり定着しています。

ココナッツオイルで手作りリップクリームを作る

ココナッツオイルリップクリーム(リップバーム)の作り方

(材料)
・ココナッツオイル(この場合ナチュレオ)/常温で固まらないキャリアオイル
 ……混ぜて、保存容器がいっぱいになるくらい。4分の1〜5分の1をキャリアオイルに置き換える。キャリアオイルの粘度でご判断ください。
お好みの精油 1〜2滴(子どもにはオレンジ系が喜ばれます)

1 ナチュレオを湯煎にかけ、常温で固まらないキャリアオイルときちんと混ぜ合わせる。
2 粗熱が溶けたら精油を混ぜ合わせる。
3 容器に入れ固まるまで常温でおく。

100円ショップに売ってるような、ネジフタ式の小さな保存容器に入るくらいの量で、精油1滴くらいの感覚です。

いつも目分量で、オイルは4分の1も入れないくらいのことも多いです。
ココナッツオイルは冬場は硬いので、少なめでも自然に元のものよりは緩くなります。そこは厳密に考えなくても大丈夫です。

子どもが適当に作って盛り上がっています。
やりやすくて楽しいですよね。

まあいろんなココナッツオイルが出てますけど、香りが高いものと、香りのないもの、その2つがあったら困らないなぁと思っています。

というくらい、我が家でもすでに欠かせませんが、私はココナッツオイルが人類に万能だとは思ってなくて、冷えが入る気がするな、と感じています。

ここからがお問い合わせのあった内容です。ここから先、食事中の方はお控えください〜〜ご不快かもしれません〜。

ココナッツオイルと冷え

冷えが入るというのは、ココナッツオイルをたくさん食べたら下痢するとか、そういう病的な話ではありません。とりすぎると、子どもが、緑っぽいウンチを出す確率が上がる気がするんですね。

大人、というか私は、そこまで目には見えた因果関係はないのですけど。

緑のウンチは冷えている、というのは東洋医学的な考え方です。

赤ちゃんのウンチが緑色になる理由

赤ちゃんを産んだことのある人は、新生児黄だんって一度は聞いたことがあると思います。赤ちゃんの黄疸は危険なもののように扱われていますが、多くの場合は、単に生理的な現象なんだそうです。

その背景にあるのは、おなかの中の胎児は、赤血球をたくさん必要としているということ。でも、生まれて自分で呼吸をしだしたとたんに、そこまで数がいらなくなるんですね。

いらない赤血球は急速に壊れた結果、ビリルビンという黄色色素ができます。

本来なら、肝臓で分解され、胆汁に分泌されて腸に排泄されるものですが、赤ちゃんだから処理が間に合わず、皮下に見えて、黄色くなるんだそうです。

それが生理的黄だん。おっぱいたくさん飲んで、母乳の排便を促す作用を借りて、ウンチをたくさん出していったら、肝臓を経たビリルビンは、素早く消えて無くなります。

そうやってビリルビンはウンチになって出て行くはずですが(黄色いウンチですね!)、腸内環境が悪化している赤ちゃんの腸内では、黄色色素のビリルビンは、緑色のビリベルディンになるんですって。

緑色のウンチは赤ちゃんの腸内環境悪化の目印なのか……。子どもの緑っぽい便が、いいとは思えない理由です。

低体温では乳酸菌の活動が低下する

また、低体温は免疫力を下げるといった文脈でも、低体温により腸が冷えると、善玉菌……乳酸菌の活動は停滞し、悪玉菌の活動が活発になる、つまり腸内環境が悪くなるという言い方がされます。

以上を合わせて、子どもが緑っぽいウンチをすると、あ、冷えてるのかな、良くないかも。と思うわけです。
そして、ココナッツオイルを摂りすぎると、子どものウンチが緑っぽくなる確率が上がる気がしてるんですね。

南のものだしなぁ。陰性に寄ってても不思議じゃない。

もちろん、ココナッツオイルで腸内環境が悪化する!なんてことは思ってないので、ありがたく使ってます^^。
何事も摂りすぎると良くない、のは、ここでも同じかな、と思っています。

ココナッツオイルで低炭水化物ダイエット実験

糖分をとるより良いと言われ、「お腹が減ったらココナッツオイル大さじ1杯」を実験的にやってみたこともありました。
あまり自分の体に合ってる感じはしなかったです。個体差あって当然の領域ですが、私は1日、2日でやめてしまいました。

レトリック的にはそういう表現大好きですが、実際には、人類に万能にいい!なんてものはないですよね。

体に相談しつつ、排泄物を見つつ、で、自分たちに合いそうなものを適宜取り入れるのが一番美味しいと思います〜。

【参考文献】

新生児黄疸とビリルビンについて。

追伸:オイルの味見比較する講座を行いました!

冷えが入る話にも言及されています。
以下からどうぞ。

https://macro-health.org/highquality-oils/

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執筆者について

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本やムックの編集者、時々ライター、一般社団法人 日本マクロヘルス協会理事。3人の子を育てる高齢出産ワーキングマザー。編著に『子どもを守る自然な手当て』、企画・翻訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』『親子で楽しむ おむつなし育児』など。大人向けのノンフィクションや小説、実用書、児童文学、絵本など、多くの出版物を編集・製作中。趣味はマンガ読み。

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