自然な手当て, 食材・調味料

小児科医とアーユルヴェーダに学ぶ、非加熱蜂蜜がからだにいい話

養蜂家の顔が見える蜂蜜がいい

はちみつ大好き!というわけでもないのですけど
味の違いが面白くて、ついいろいろ買ってしまいます。

スーパーで普通に市販している加熱されたものは、
美味しくないし栄養価も低いので、だいたいは
専門店か、養蜂場が何かの機会に売っているようなものを購入。

本日、通りすがりに見かけて、味見して、
北海道産の「キハダ」の蜂蜜を購入してしまいました……。

kihada-honey

医薬品代わりに蜂蜜をとる

キハダとは、胃腸のトラブルにアプローチする民間薬(和漢方薬)・陀羅尼助丸の主原料でもある、あの「キハダ」です。

キハダの蜂蜜を味見してみると、アカシアのようなさらっとした味わいの最後に、あらちょっと苦味が残る。

もちろん生薬のような効果はないでしょうけど、
胃腸に優しい作用も期待しつつ、これはしばらく楽しめると思って。

うちにはそういう、効果・効能を期待した蜂蜜が、幾つかあります。
たとえば「そばの蜂蜜」。
咳止め効果は、鎮咳薬(咳止めの薬)よりも高いという医学論文があります。

うちは、鎮咳薬は使わないので、
そばの蜂蜜を常備してるんですね。

『小児科学と青年期医学資料集』の二〇〇七年十二月号に報告された研究で、ソバの蜂蜜を小さじ一、二杯、夜間にたった一回取るだけで(寝る三十分前)、明らかに咳の回数が減り、重症度が低下したそうです。(中略)著者たちは「子どもの上気道感染症については、蜂蜜を、咳と睡眠困難の治療に使う方がむしろ望ましいといえる」と締めくくっています。

蜂蜜には安定した抗酸化作用と抗菌効果があります。甘味物質が気道の粘液を分解し、のどの奥の症状をやらわげます。

『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』より

本物の(純粋な)生蜂蜜は
殺菌力も高いので、歯磨きしてから口に含ませても、
虫歯になりません。大丈夫。

蜂蜜専門店の講座で聞いた話では、
手作りの歯磨き粉に、
蜂蜜で味をつけちゃったりすることもあるらしいですよ。
防腐剤にもなるし、一石二鳥ってことで。

ということで、
蜂蜜には侮れない効果・効能を期待できるかも? なので、
キハダの蜂蜜にも、
陀羅尼助丸にならい、そこはかとない整腸効果などを期待。

子どもたちも消化機能が発達してきて、
(私には少々きついのですが)
家族で肉など食べる機会も増えています。
この週末も、思い切り肉な外食をしました。

そういう日の翌朝は、
子どもたちの朝ごはんに、よく、
米粉のヨーグルトを出すのですけど
そこに胃腸に優しいキハダの蜂蜜で少々甘みをつける・・・。

のは、とても素敵な気がする!

ここで書いた米粉ヨーグルトとは、
滋賀産の米粉を、「鮒ずし」の菌で醸した米粉ヨーグルトです。

これむちゃくちゃ美味しいし、化学物質過敏症の友人が
「これを食べると化学物質にやられた時も腸が動く」
と言っていたくらい、乳酸菌の強さを感じます。

 

これなら肉を食べても、腸を汚さずしっかり代謝できると思って。
こういうヨーグルトプラス、胃腸にやさしい生はちみつって、いいですよねぇ!

アーユルヴェーダに学ぶ。生蜂蜜は、非加熱で

アーユルヴェーダでは、蜂蜜は、からだにいいもの、
薬がわりに位置付けられます。

ただし、生蜂蜜を酵素や栄養素を壊さない状態で
食べる場合に限ります。
40度以上の熱が加わった蜂蜜は、毒になるんですね。

甘いものは基本的にからだを冷やすのですが、
蜂蜜は熱を持ったもの。つまり、体を温めるものです。

もともと熱を持った蜂蜜をさらに加熱すると過剰になって良くない。
というと丸めすぎですが、実際加熱すると栄養価も損なわれますし、
生蜂蜜は、せっかく生きてるんだから、
料理や加熱するドリンクに入れるのはもったいないです。

アーユルヴェーダで推奨される蜂蜜の食し方は、
食間にスプーンで、単独で、という形になります。

40度以下のぬるま湯で、蜂蜜レモンジュースを作るのは、
浄化作用もあってオススメのようです!

蜂蜜だけ舐めるのも、子どもだったら
クマのプーさん並みに喜びますが。
とにかく加熱には注意しましょうね。

ベジタリアニズムと蜂蜜

最後に。

ご存知の方も多いと思いますが、蜂蜜は、「動物性食品」です^^。
下を読むと、蜂の中をなんのかのと通って、
花の蜜が蜂蜜として加工されることがわかると思います。
それによってベジ仕様ではなくなるらしい。

一般にミツバチが採集した花の蜜が蜂蜜であると考えられがちであるが、花の蜜が巣の中で加工、貯蔵されたものが蜂蜜であり、両者の性質には物理的、化学的な違いがある。(中略)水分発散のための作業の一つとして、蜜蜂は巣の中で口器を使って蜜を膜状に引き延ばすが、この時蜜蜂の唾液に含まれる酵素(インベルターゼ、転化酵素)が蜜に混入し、その作用によって蜜の中のスクロースがグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)に分解される。(中略)ミツバチの口器を通してはこの他に、本来花の蜜には含まれない物質が混入する。一例としてコリンが挙げられる。

Wikipediaより

なので、ビーガンの人は蜂蜜を避けることがままあります。

ベジタリアンの人を食事に招く時には、
意外と盲点になるところ。

蜂蜜、ちょっと気をつけてくださいね。

あ、蜂蜜の注意点といえば、保健所で指導されますけど、
0歳児には生蜂蜜は与えないで。というのもあります。

ボツリヌス菌混入の危険を避けるため、とのことですが、
うーん、そこまで注意が必要?と思いつつ、
ま、蜂蜜はとっても糖度が高いので、そこまでごっついものを
おっぱいが主食の子にあげなくていいや〜〜というのも含みつつ、
うちでも一応避けていました。です。

ご参考までに。

加熱せず、体にいい生蜂蜜を楽しみましょう、
蜜の種類によって、いろんな効果も期待できますよ〜という話でした 😉

追記:
非加熱蜂蜜(生蜂蜜)と乳児ボツリヌス症:ボツリヌス菌のリスク

追記です。
先ごろ、世界的にも珍しい乳児ボツリヌス症での死亡例が、東京都足立区から報告されました。

厚労省からも通達が出ています。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000161263.pdf

この記事にも、大変多くの方が読みにいらっしゃいました。

保健所でも指導されていますし、私が企画・翻訳した「小児科医が教える 親子にやさしい自然育児」にも、当然、その指摘は、以下のように書かれています。

蜂蜜は一歳以下のお子さんにはすすめられません。赤ちゃんが蜂蜜をとることでボツリヌス中毒になる可能性が、まれにではありますが、考えられるからです。一歳以上のお子さんにはこのリスクはありません。

『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』より

知り合いのドクターに原書を差し上げてしまって、今手元にないのですけど、原書には確か、上記の引用箇所には注がついていて、どれくらいレアな事例であるか、記載があったと思います。

原書を再入手したら、書き加えます。
(日本語訳では、ほとんどが英語論文の紹介だったこともあり、注はつけませんでした)

発症率はとても低いはず。
そういう意味では、万に一つが起こってしまったケースなんだろうと思います。

5ヶ月の赤ちゃんの離乳食だったとのこと。
親御さんは辛いですよね。

もちろん保健所でも、いろんな場所でも、生蜂蜜は0歳児にあげるなとの情報がわたされています。

同時に、5ヶ月の赤ちゃんに、離乳食を始める指導も、いろんなところで行われていることでしょう。

そもそも離乳食、そんなに急ぐ必要ないと思うんです。

今回はジュースだったようですが、果汁をどの段階で始めるかは、まあその人がどの情報に接するか、選択するかだと思うのですが。

まずは、腸の機能が未発達(リーキーガットですよね)な赤ちゃんに、母乳以外のものをあげていくとはどういうことか、そこから議論を始めるべきではと、個人的には思います。

人の身体の発達を、「標準」を基準にとらえることの不可能性、そのリスクは、人文科学・自然科学の学際的な最新成果によって、日本の戦後政策の元締め、アメリカ本国でもすでに指摘されています。

保健所のよって立つ、「赤ちゃんの平均的な発達」という前提そのものが、今は揺らいでいるんですね。

問題は、蜂蜜、そして黒糖やきな粉のボツリヌス菌問題、だけではないと思います。

乳幼児身体発育曲線にいろんなものがよって立つような、母子健康指導のあり方そのものを、同時に俎上にあげてもいいのではないでしょうか。

追記の追記:
小児科の先生による、良記事を見つけました!
発症率の低さにも言及されているのですが、母乳への言及の仕方がとても面白かったので、以下をどうぞ。
母乳もリスク。乳児ボツリヌス症の全体像を考える

【参考文献】

*アーユルヴェーダについてわかりやすいです。

*そばの蜂蜜で咳を治す話についてはこちら。

“ちょうどいい”自然なくらしとお手当てアドバイザー
 望月 索 ☆ 

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執筆者について

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本やムックの編集者、時々ライター、一般社団法人 日本マクロヘルス協会理事。3人の子を育てる高齢出産ワーキングマザー。編著に『子どもを守る自然な手当て』、企画・翻訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』『親子で楽しむ おむつなし育児』など。大人向けのノンフィクションや小説、実用書、児童文学、絵本など、多くの出版物を編集・製作中。趣味はマンガ読み。

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