執筆者紹介
望月 索(もちづき さく)
一般社団法人 日本マクロヘルス協会理事
37歳、40歳、44歳で3児を出産した高齢出産ハードワーキングマザー。
編著に『子どもを守る自然な手当て』(農文教)、
訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』(草思社)、
『親子で楽しむ!おむつなし育児』(河出書房新社)など。
のちに映画化したベストセラー小説、
今でも読まれ続けている手堅いノンフィクション、
マニアックなアート系絵本、
音楽やマンガのムック。
いろんな傾向の本やムックを企画・編集してきました。
編集者であり、ライターもします。
出版の仕事は、夜型の人が多いです。
仕事が大好きで、徹夜で仕事してるか
お酒を飲んでいるか、の、
PMSがひどく、子宮筋腫まである、
人一倍不摂生な人間でした。
が、妊娠を機に、「からだと心にやさしい自然なライフスタイル」に目覚めます。
妊娠をきっかけにしたといっても、
身近なところに出産した友人もいず、
何もわからないので、とりあえず隣の駅にある
「産後入院の食事が豪華な」病院に出かけていくような、普通の妊婦でした。
そう。そこまでは、通常のパターンでした。
が、子宮筋腫がわりと大きいので経膣分娩を危ぶまれ、
医師の発言をもとに色々調べるうちに、
産院のあり方に疑問を抱くようになります。
そんな頃、37歳と高齢なので、羊水検査の説明を
受けることになりました。
その病院では3分の1の人が羊水検査を受けているとのことでした。
医師に、ずらりと並んだ新生児の顔写真を見せられ、
「どの子がダウン症児だと思いますか」と
問い詰められた瞬間に、頭が真っ白に。
さらに、羊水検査の説明を聞いているうちに、お腹がきゅっと痛くなりました。
こんなところで産めない。
つわりで弱りながらも、違う選択肢を探そうと決意した時に、
行きつけの美容院で助産院という存在を知らされます。
その美容師さんもお子さんがいず、他のお客さんから聞いたことを、
うろ覚えで教えてくれた状態でした。
それくらい縁のなかった「自然分娩」への道が、
そこから始まります。
それまでがあまりにも不摂生だったので、
いろいろ問題もありましたが、
最終的には、一人の助産師さんが私をかばってくれたことで
私は無事第一子を、完全自然分娩で産むことができました。
自分的には大変安産でしたが、その助産院の、
ゴッドハンドの助産師さんによると、
5本の指に入る、とても難しいお産だったそうです。
そういう、「自然分娩最底辺」から歩み始めた私は、
もともと本やムックを作る編集者です。
子を持った自分が一番興味のある分野・・・
自然な子育てや自然な手当てに関する情報を集め、編むことを始めます。
そして、仕事やプライベートを通し、多くの専門家から知恵を授かりました。
第2子の妊娠中には、とある自然食品・ナチュラル家電などのメガショップとのご縁が始まります。そこで、書物からでは得られない、最前線のオーガニック・健康情報に触れることになります。
さらに、第2子の出産直後に3.11の原発事故が起こりました。
3歳の幼児と2ヶ月の乳飲み子を連れて、日本を放浪します。
当時、小さい子どもがいて、放射能のことを心配する親は、本当に必死でした。
そこからさらに生活を見つめ直し、人生について、命について、この社会のシステムについて。それまでにない知識を深め、いろんな方とのご縁をいただくことになりました。
わたしはかわいい子どもたちを守りたいと願っています。
子どもは集団で育ちます。
自分の子どもを守るのは、多くの子どもたちを守ることと同義だと思っています。
そして、満を持しての3人目。
そのお産がもたらした知見は、「高齢出産編」として、このブログに掲載されています。
誕生という素晴らしい瞬間が、
現代日本では、あるいは西洋医学では、
すごい(ひどい)ことになっている。
一番普及しているお産のかたちのクオリティオブライフ(QOL)が、あまりにも低くて、びっくりしました。
母子ともに、あるいはこれからの社会を考えるうえでも、人の基本がこれではいけないと。身をもって感じています。
そうやって、3人の子を産み育てながら、
場数を踏み、知識を増やすうちに、
気がつくと、子育て講座を開いたり、
人様にアドバイスする機会も増え、
このブログを作ることになりました。
今の私しか知らない人は、
超ジャンクだったほんの8年くらい前までの
自分の話をすると、えーーっっと驚きます。
逆もまた然りだろうと思います。
でも、いずれにせよ、私は常に
オルタナティブの王道を選ぶ傾向にあります。
おむつなし育児の本を出した時に、朝日新聞の取材を受けました。
その際に、おむつなし育児はサブカル育児と言い放ち、
そのまま新聞に掲載されたので、一部で話題になったそうです。
ようは、お仕着せのものを選ばす、自分なりのアレンジを加えたい層が
一定数いるのだと思っています。
不自然がメインストリームである今は、
からだや心に良いナチュラルなものが、
オルタナティブの王道なのだと思います。
(嘆かわしいことですが)
そういう時代を、自分と家族にちょうどいい、
楽でナチュラルのかたちを求めつつ、
楽しく、無理なく、過ごしていこうと思っています!
⭐︎ 望月 索 ⭐︎