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香害・香り物質と子どもの嗅覚:赤ちゃんはいいにおいだと思いませんか?

香害・香り物質と子どもの嗅覚:赤ちゃんはいいにおいだと思いませんか?

洗濯講座をするときなどによく触れていますが、わたしには合成洗剤アレルギーがあります。

なので、家庭内には無添加のものが多く、人工的に香るものもそう多く置いていません。

結果として、わたしも家族も人工的なニオイ物質に慣れず、人工香料が付着した衣類をくさいと思うようになります。

こんなに刺激的なのに、好みの問題なんでしょうか?

 

環境問題としての大気汚染と室内の大気汚染

空気の質が健康に及ぼす影響については、もうずっといわれてきています。

環境問題としての大気汚染については、指摘するまでもないですよね。

下のような、世界地図上に、大気汚染状況が色別でマッピングされているサイトもあります。

世界の大気汚染: リアルタイム空気質指数

あなたのお住いの地域はどうでしょう?

日本の環境の大気汚染、全体でみると、意外と赤いところは少ないですよね。

一方、シックハウス症候群にみられるような室内大気汚染については、ここまでわかりやすいものは見かけません。

日本より海外でのほうが長く取りざたされていて、

4、5年前でしたか、アメリカの環境省から出ていた計測値にびっくりしたことがあります。

そのデータでは、室内は外気より、半端ない高倍率で汚染されていました……。

 

WHOの空気の質ガイドライン

WHOに「空気の質ガイドライン」というものがあります。

厚労省のサイトにある、WHOと諸外国の取り組みについてをみると、

(i) pollutant-specific guidelines
汚染物質
(ii) dampness, mould and ventilation
湿気、かび、換気
(iii) indoor combustion of fuels
室内での燃料の燃焼

といった区分けになっています。

室内の大気汚染を測定するために、たとえば35の汚染物質を計測するガイドラインが作られています。

ホルムアルデヒド 0.1 mg/m3(30分平均値)、いかなる時間帯もこの値を超えないこと
※長期曝露よる肺機能への影響、鼻咽頭がんや骨髄性白血病の発症も防止できる
ベンゼン ユニットリスク(UR):6.0×10-6 (μg/m3)-1
17 μg/m3(10-4の発がんリスク)/1.7 μg/m3(10-5の発がんリスク)/0.17 μg/m3(10-6の発がんリスク)
ナフタレン 10 μg/m3(年平均値)
二酸化窒素 200 μg/m3(1時間平均値)/40 μg/m3(年平均値)
一酸化炭素 100 mg/m3(15分値)、1日のうちで頻繁にこのレベルを超えないこと
35 mg/m3(1時間値)、1日のうちで頻繁にこのレベルを超えないこと
10 mg/m3(8時間値)、算術平均値
7 mg/m3(24時間値)※、算術平均値
※24時間値の設定は、一酸化炭素への長期間曝露によって、感覚運動能力 の変化、認識能力への影響、感情や精神への影響、循環器系への影響、 低体重児出生などとの関連が報告されてきたため。

もっと続くのですが、冒頭部です。

2012年9月28日、「第11回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」の資料であり、それからもう8年たっています。

室内に浮遊している物質の変遷もあるでしょう。

そのひとつとして、香害、香り物質問題、マイクロカプセル問題があるはずです。

マイクロカプセルに入った、おどろくほど長時間付着する物質が、いろんなものに入っていて、それが脳に直接届いてしまいます。

ちょっとずつ問題になっているそれ、多くの子どもの嗅覚も、すでににぶらせているのではないでしょうか。

 

香りは脳に直接作用する

香りが嫌いなわけではなく、大脳辺縁系視床下部に直結する嗅覚の作用は重んじています。

洗濯物に香りをつけたいときは精油を使います。

ここ最近は、下のクレイの柔軟剤(香りは精油)を気に入っているので、洗濯で、精油そのものを使う機会は減ったのですが……。

 

やさしいあらいあがりが気持ちよく、アルカリ洗濯とも相性がいい、ナチュラルランドリーの味方としておすすめします。

洗濯物がいい香りだと、干していても幸せですよね。

 

香害の結果、精油も使えない

といった、ちょっとした香りの効果は、生活に取り入れたらハッピーなはずです。

だから、いいにおいのものを使いたい、という心理はわかります。

でも、いつまでも付着しているような刺激物になる香りは、いいにおいなんでしょうか。

どこまでいっても刺激物は刺激物なのでは?

いったんスイッチが入り、香害を加害として受けるようになってしまった人にとっては、刺激物を超えて、劇物のようです。

化学物質への反応として起こり始めると、精油も使えないと聞きました。

ハーブティでも微妙なことがあるとか。

かなり人工的な香り物質にさらされることをきっかけに、比較的ナチュラルなはずの製法のにおい物質も受け入れられなくなる……

化学物質まで還元されると、洗濯物などの話に限りません。

生活にある化学物質すべてに反応してしまうようになる。

インクがだめになり、本もひらけない。

ほんとうに、本当に大変なことだと思います。

 

子どもの嗅覚と香り物質問題

 

その原理は解き明かされていないので、家庭内で揮発する化学物質の総量を、できれば減らしたいと思っています。

家族が人工的な何かのにおいを長時間付着させていることはないはずです。

そのために、公立小学校低学年のクラスで、子どもが「くさい」と言われる機会が何度もありました。

積極的に臭うわけではなく、髪から「人工香料のにおいがしないから、くさい」のだそうです。

例えばペットがいたとして、そのにおいが愛らしかったりすることはあるのではないかと思うのですけど……。

よく言いますよね、陽だまりの犬のにおいが好きとか。

わたしも子どものころ飼っていたインコのにおいが好きでした。

そういう感覚が、人間には適用されないようなお話でした。

毎日、人工的なにおいがしない=今日もくさい。

とチェックされるのを子どもがいやがっていたので(そりゃそうでしょう……)、朝出るときに軽く精油をつけてあげるようにしました。

それを続けると、香りがついていることで満足したらしく、その行為はやみました。

ケミカルフリーを心がけるのは、そんなに社会的に覚悟がいることなんでしょうか……?

 

赤ちゃんはいいにおい?

わたしからすると、不思議なほど「香料臭い」子どもが多いです。

長い髪と着ている服から凄まじいにおいがして、鼻をつくにおいに、部屋を換気したくなることもあります。

化学物質過敏症の友人が、「うちの子は(特定の)クラスメートの(いつも使っている)シャンプーにやられておねしょをする」と言っていました。

赤ちゃんの頭に、人工香料の何か整髪剤をつけて、いいにおい!とやっていたママを見たときに、複雑だったのを思い出します。

赤ちゃんは、赤ちゃんのままが一番いいにおいじゃないですか?

小さい頃から慣らされ、香水がきつい人のように、極端な香りをまとう大人になっていきませんか……?

リスクだと思います……

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執筆者について

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本やムックの編集者、時々ライター、一般社団法人 日本マクロヘルス協会理事。3人の子を育てる高齢出産ワーキングマザー。編著に『子どもを守る自然な手当て』、企画・翻訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』『親子で楽しむ おむつなし育児』など。大人向けのノンフィクションや小説、実用書、児童文学、絵本など、多くの出版物を編集・製作中。趣味はマンガ読み。

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