週末プラス2日の、3泊4日の短期でセブ島沖の島に行ってきました。
カオハガン島という島です。
http://caohagan.com/
52歳で仕事をリタイアした日本人の個人が、ダイビングでたまたま出会い、思わず買ってしまった東京ドームよりちょっと広いくらいの大きさの、綺麗な海と環礁に囲まれた島。
その島を買った経緯、島での生活について書かれた『何もなくて豊かな島』というベストセラーが、1995年に出ています。
美しい海に囲まれたその島には300人ほど、人が住んでいました。
扱いとしては不法占拠民。
別の土地を紹介して出て行ってもらった方が……といういろんな人のアドバイスを受けつつも、その日本人、崎山さんは、島民と共に歩む道を選びます。
島の自然を守りつつ、住民の生活も維持(改善)する。
統治ではなく、共存。自然とも、現地の人とも……。
まだ世界のどこでも成し遂げられていない、持続可能な開発への試みが始まります。
開発……という意識はなかったかもしれないです。
でも崎山さんが住むためにも、家は建てますよね。
(中央の吹き抜けロビーに風が通り抜ける、とても気持ちのいい家でした)
みんなでこの吹き抜けロビーでお食事をしました。
トイレは水洗でした。
自然の中でも安全で文化的、快適な生活のために、水道設備を作り、雨水を貯めるシステムも作る。
電気もありました。
17〜23時の間は、発電機が回り、街灯もつきます(一部、太陽光発電もあるようです)。
その間は充電もできました。
あ、日本の充電器、変換器かませないでそのまま使えます! 助かる〜。
私は、仕事で調べものをしていて、たまたま島のHPを検索でひっかけました。
日本人の個人が南の島を買い、成り行きで、ちょっと突っ込んだらかなり深く考えさせられる、どこから手をつけていいかわからないような、すごいことをやっている。
HPにも書いてある、そのストーリーに感銘を受けました。
それに、この島は子連れ旅行しやすいのでは……という直感的なものがあって。
気になって、島のHPにのっていた旅行会社にすぐに問い合わせました。
カオハガン島が子連れ旅に向いている理由
旅行会社からもらった資料を見れば、子連れ旅がしやすそうだという直感が、正しかったことがわかりました。
1 子ども料金がある
・島と空港間の送迎あり(しかも複数人の方が安い)
・3食つけられる(子ども料金あり)
・宿泊施設にも子ども料金あり
・子どもの好きそうな工作アクティビティあり
・2歳児いろいろ無料(問い合わせてわかりました)
これ絶対子連れ旅行のハードル低い!と思いました。
実際、行ってみて……。
やっぱり子連れ旅に最高の島でしたね!
もちろん、子連れでない方がご旅行をするにも、素晴らしい島かと思いますけど^^。
崎山さんとお話しさせていただいて、考えたことなどもいろいろあるのですけど、そういうのは改めて書いてもいいので、まずは、子連れにとっての利点を中心に書きますね。
2 日本語が通じる
子どもの発達に応じて細かいニーズがあると思うのですが、現地の方にも、日本語と英語が同じくらい通じます。
そのうえ、島の男性と結婚した日本人女性スタッフがお2人いて、しょっちゅう母屋(みんなで食事をするところ)に来てくれます。
もう細かいところまで、あらゆる要望が日本語で伝わります。
しかも、お2人とも、0歳と、1歳、小さな子どものいるママで。
話しやすいですよね。ご配慮もいただきやすく。
今回、初回なので旦那連れて行きましたけど、母子のみでも全然OKだと私は思いました。
3 現地の人も子どもの相手をしてくれる
島民の旦那様をもつ日本人女性スタッフお2人にお話をうかがうと、とにかく子育てストレスのない環境だとおっしゃってました。
誰かが、子どもを、見てくれている。
短期旅行者の私でも、それは実感しました。
きょうだいの世話をすることが当たり前の島の子どもたちは、小さい子の扱いに長けています。
6歳児や2歳児は、母屋にいる島の女の子たち(食事の時に、ウェイトレス役をしていたり、調理補助をしている子どもたちです)にすっかりなついてしまい。
母屋に遊びにいく〜!と、勝手に出かけていきます。泊まっていた場所から母屋への導線にはちゃんと道が出来ているし、その辺に座っていたりする現地の人の人目もあるので、もう完全にリリースです。
こんな風に道があります。
個人のお庭に間借りする状態ですから、治安に心配がないんですよね。
9歳児はむちゃくちゃ遠浅の海に、一人で遊びに行ってるし。
白い砂州が美しいビーチは、あまりに遠浅だから、ここも心配する必要がない。
右はし真ん中くらいから突き出ている白い帯っぽいものが砂洲です。
潮の干満で、大きさが変わります。もっともっと広い時もありますね。
ちなみにこの海は、泊まっていたキルト小屋から撮りました。
(ちょっと大人数だったので、キルト小屋に泊まりました)
キルト小屋は、蚊帳を吊るしてこんな感じ。
4 母親がリラックスできる
旅先で、小さな子どもが自分の手を離れる。
母親が一人になれるって、すごいことです。
という状態に気づき、2日目の夕方、島に泊まらない海水浴のみのお客さまが引けたあと、子どもたちほっといて、私一人で海に入りました。
見渡す限りの美しい海に、本当に私一人。
夕方の海は、すっかり温まって、半身浴状態です。
ああ、水のシャワーしかないと思っていたら、ここにお風呂があったんだ。
と、ゆっくり浸かっていて、ついでに波打ち際で浸かりながら横たわっていたら、1時間くらい塩水浴していたみたい。(心配した長女が呼びに来た)
そのとき、現地の人ふうの、「海で体や髪を洗い、真水で流す」ことの合理性について、私はつかんだ!と思ったのですけど(肌も髪も、すごく綺麗に洗えます)、そこは置いといて、翌日、帰国の途に着いたのですが。
東京に着いてから、カーン、と発熱しました。
おお、デトックスしている!
久しぶりに、9度台の熱。こんなに熱出せたの久しぶりです。
あの塩水浴、効いたのではないかな。
とにかくきれいな海、シャワーなんて浴びなくてもベタベタしない、気持ちのいい母なる海でしたものねぇ……。
出た症状の幾つかは、子どもを持って以来……薬を飲まず、自然治癒させるようになってから、初めて「好転反応」を起こした時の症状に、ちょっと似ていました。
あの時の激しさには全くかないませんが、まだ残っていたか、最近溜まったものが出ているのか。
あと1日、2日現地にいられたら、発熱デトックスにはならず、海でぜんぶ出せちゃったかもしれないですね。
もうすこし長くいたかったな……。
母子のみでOKだと思ったから、次は母子のみにしたら、も少し長く滞在できるかな!
母親向け(女性向け?)のプログラムもあって、ヨガやマッサージ、砂風呂とかありますよ。
次はやりたいですね。
滞在費について
ちなみに、滞在費が、かなり安い、というわけではないです。
セブ市内の物価はかなり安いらしいのですが(タイよりずっと安いらしい)、周囲の島を楽しもうとすると、一気にツーリストプライスになる、と、友人の、旅行好きの独身男性が言っていました。
例えば路面で数十ペソで買えるヤシの実が、島では数百ペソになったりするとのこと。
日本で言えば、山価格とか、コンサートホール価格、車内販売や機内販売の価格のようなものかもしれませんけど、確かに、島価格っぽいものはあるそうです。
カオハガン島も島なので。すっごく安い!って感じではないですね。
でも、3食美味しいものが食べられて、子連れにも安心です。
子どもが食べづらいような味付のものは基本出なかったです。
フィリピン料理食べやすいとは思いますが、ご配慮いただいたかな?
あのレベルのプライベートビーチを要求しようとしても、普通は、手に入らないです。
しかも、小さな子どもが異文化交流で、ナチュラルに遊んでもらえます。
「すっごく安い!」はないかもしれないけど、十分だと思いました。
カオハガン島への親子旅の仕方
個人的には、子連れの方は、カオハガン島HPに載っている旅行会社に問い合わせて、自分で旅をアレンジするのをおすすめします。
アレンジ料金、一人3000円でした!(2歳児は滞在費も、アレンジ代も、すべて0円でした)
旅行社こちらです。
http://caohagan.com/stay_3/
空港まで送迎してもらえば、ツアーと変わらないですよ。
飛行機予約含めて旅行会社にお願いできるとも思いますけど(その場合ひょっとしたら3000円では済まないかも? ご確認ください)、飛行機は自分で都合のいい、安いものとっちゃった方が、安くつくかもです。
個人のアレンジでも、スタディツアー的な、現地のご家庭への半日や終日の「ホームビジット」も、その他のアクティヴィティも付けられます。
でも子連れの方は、あまり無理せず、現地に行ってから、可能な範囲で動いてもいいと思います^^
持続可能な暮らしをしてみた子どもたちの変化
贅沢リゾートを求める向きには、水や電気を使う時に配慮のいるカオハガン島は違うかと思います。
でも、綺麗な海がメインだったり、子どもに違う世界を見せたいと思う方、カオハガン島、いいと思いますー。
うちの子たち見てたら、良い影響があったと思います。
たった2日でも、どれだけ自分たちが贅沢なのか身にしみたみたいで、電気や水に、以前より気をつけるようになりました。
自分たちのいる、都会的な環境が、すべてではないことを、身をもって知ったみたいです。
さらに、常に帯電し、電磁波が飛び交うような環境を離れ、土や海水に触れるうえに、配線のない部屋で眠る生活をすることは、とても良かったのではないかと思います。
2歳児は、島にいる間だけ、お腹に定着している湿疹が綺麗に消えていて、東京に戻ったらまた出てきました。やはり干渉するものが少ないんですね。
持続可能な島でマインドフルネスを経験
母も、心身のデトックスにいいと思います。
私みたいに熱まで出す必要はないかもですけど、特に、何かを手放したい方!
子育てで忙しいとか、家事の手を抜けないとかね、そういったものの、手放しができそうな気がします。
以前、対話師の先生(お腹の赤ちゃんとお話しさせてくれる先生)を囲んだ、子育て講座を企画したことがあります。
その講座の時に、先生が、本当に目の前の子と対話することの難しさについて、ご指摘くださいました。
気がついたら、子どもといても、違うこと考えてません? 家事とか、仕事の段取りとか、あるいはもっと別のこと。
目の前の子と向き合ってる時間って、とても少ないんです。
私たちは忙しすぎる。
私も、子どもといながら、授乳しながら、他のこと考えてることすごく多いです。
でも島にいた時には、子どもが自分のそばにいる時には、今そこにいる自分と子どものことしか頭になかった。
自然とそうなっていました。
自分は常に、「今」にいました。
完全に、自分と、子どもと、「対話」できていたんですね。
お食事は母屋で、崎山さんもご一緒なのですけど(とても美味しいお食事でした)、その時に伺った話。
島の男性で、日本人女性と結婚して、熊本(だったと思います!)の大学で農業を勉強し、その後就農して成功した人がいた。
でも、農業が苦痛でしょうがない、とやめてしまった。
農業は先のことを考えなければならない。それが、その人にとってはたいそう辛かったらしい。
完全に、今の自分と対話できている状態から、未来や過去へと意識が飛び、今と切断される状態に移行するのは、たった2、3日「今」にいた私にとっても、かなりの苦痛でした。
農業は、確かに、島の時間とは別物かもしれないです……。
「今」から引き裂かれるのが存外しんどい。と自覚した時に、私は熱を出しました。
一番にデトックスですが、そもそも何か、体が拒否したのかもしれないです。もう少し、何も考えずにいなさいと。
3.11後、長期的に東京から離れることは繰り返しましたけど、たいていの保養では親は大変だし、リラックスしたつもりの保養でも、ここまで自分と対話できたことは、私はなかったと思います。
30年後の「何もなくて豊かな島」
崎山さんのかつての著書の中には、「島の中央には手つかずの自然が残っている」というような記述があるものもありましたが、もうそのような自然はないように見受けられました。
今は何もないより何かがありますし、住み心地がよくなれば人も増えますから、現在島民は600を超えているそう。
人口問題を抱えつつ、それでも持続可能な社会をみんなで維持しようとしている、不謹慎ですが、島の自然を守るためには人間じゃまかもしれないのに、自然保護と人間の営みの工夫の最前線がここにあります(見た目のんきだけど)。
その最前線に、日本人女性が赤ちゃん連れてコミットしてるのですから、すごい、頭が下がる。としか言いようがありません。
また、行きたいですね。
朝日が昇るころの島を見ながら帰途につきました。
早朝なのに空港まで送ってくださって、ありがとうございます。
追伸:
旅行に持って行ったお手当て用品について書き足しました
↓
旅行の荷造り、子どもを飽きさせない工夫などについて書き足しました。
子連れ移動って親も大変ですよね。
☆ 望月 索 ☆
自分に“ちょうどいい”から気持ちいい。
らくなちゅらるライフプランナー