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娘と読む大人のマンガ:教育的なものからエンタメまで、親子で読んで楽しめるもの9つ

娘と読む大人のマンガ:教育的なものからエンタメまで、親子で読んで楽しめるもの9つ

私がマンガが好きなので、わが家では、なんのかのと読ませてきています。

ここで紹介するのは、本当に親子で読んでいるものばかりです。

共通の話題になるし、マンガから学べることも多く、楽しいですよ!

セレクト方針

(1)マンガらしいマンガであること。

今時は共有されない観点かもしれませんが、「紙の雑誌で連載されているマンガ」あるいは「単行本になっているマンガ」を扱います。

基本、ちゃんと編集が入っているマンガです。

(2)性的描写をさほど気にしないで読めること。

「さほど」というのが微妙で、なかなかゼロにはできないこともあります。

そっちの心配が必要なものは、付記しています。また、連載途中のものは、先々何か出てくることもあるかもしれないのでご注意くださいねー!

わたくし年季の入ったマンガ読みですので、雑誌のカラーも見ています。

連載媒体が、娘と読むにはちょっと……であるときは、度合いに応じて、その旨アラートします(単行本に入ってくる雑誌の広告が、びみょ〜だったりするものもあるかもしれません)。

娘と読むエンタメマンガ!

マンガはすべからくエンタメですが、特にエンターテインメント色が強いものを。

(1)『かげきしょうじょ!!』(斉木久美子)

ジャンル 少女マンガ
キーワード

歌劇、アイドル、友情、少し歌舞伎

セクシャルさ

☆(これについては感じないですね……)

いま一番楽しく読んでいます。
私が連載誌を買っているのですが、親子で発売日を楽しみにするレベル。

宝塚がモデルであろう歌劇団に憧れ、劇団付属校で男役のスターを目指す、女子高校生が主人公です。
歌舞伎なんかの話もちょっぴり出てきます。

良質なエンターテインメントですね。
本来みんなライバルで、思春期の少女らしく、それなりに葛藤も抱えているのですが、ドロドロしたところがなく、爽やかです。

いろんな個性がそれぞれの才能を開花させていくさまもすばらしい。

もともとは廃刊になった別の雑誌に連載していました。

無事に移籍した時は、とても嬉しかったです。
ちなみに連載誌の『メロディ』(白泉社)は、いま一番娘に安心して読ませられる雑誌です。

低年齢向けの少女漫画誌、色ボケしてるのか!と言いたくなるほど恋愛偏重で、モリモリに盛られたキスシーンなどもあるので、気が進まないこと多いです。

高年齢向け(だと思ってるんですけど『メロディ』)の少女マンガのほうが、いっそいろいろ「卒業」していて、すがすがしいですね。

(2)『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子 )

 *2018年9月末現在、Kindleで3巻まで無料で読めます。

ジャンル 少女マンガ
キーワード

コメディ、クラシック音楽、学園もの、恋愛、音楽、留学

セクシャルさ

☆(キスシーンなどはありますが、コメディタッチが基本なので、気になりません)

感性を育てる、という名目が成り立つ、コメディを超えた面白いマンガです。

ピアノやバイオリンの習い事をしているお子さんの場合は、実践的にも面白いかもしれません。

ドラマにもアニメにもなっているのでご存じな方も多いかと。簡単なまとめをWikipediaより引きます。

二ノ宮知子による日本の漫画作品。またはそれを原作としたテレビドラマ・テレビアニメ・実写映画などの作品。女性漫画誌『Kiss』(講談社)にて2001年から2010年まで連載された。クラシック音楽をテーマとしている。

連載完結してもうこんなに時が経ったのか、と驚きますね。

音楽マンガはたくさんありますが、クラシック音楽の楽譜を中心にした楽しさを、ここまでわかりやすく伝えたマンガは類を見ないです。私は、後半のパリ編の、指揮者コンクールのあたりが特に好きですね。

読んで聞き直した曲も多く、クラシックファン層を広げたはず。今でもたまに、コンサート等が企画されているようです。

せっかくの少女マンガなので、娘にはわりと早くから読ませようとしたのですが、残念ながらルビがなく、ある程度漢字が読めるようになるまでは読もうとしませんでした。

でも一旦読めるようになると、本当に夢中になって読み、たまに出してきて、読み返していますよ。

(3)『ベルサイユのばら』(池田理代子)

ジャンル 少女マンガ
キーワード

お姫様、ドレス、フランス革命、運命の恋、きみは光ぼくは影

セクシャルさ

☆☆☆(単行本で言えば7巻あたりでベッドインします)

娘が就学前に読んだマンガの一つです。つまり読み聞かせた、ということですね……。

うちの女子はお姫様が好きだったので、塗り絵も兼ねて、コンビニ版のものを購入しました。

クーピーで塗ってましたよ!

実は、オスカルとアンドレのベッドシーンのある巻以降、つまり、コミックスで言えば、番外編を入れない最終2巻は読ませてないです。雰囲気優先のシーンだけど、まあまだちょっと、早いかな、と。

もともとフランス革命色が強くなると、お姫様!なきらびやかさはなくなるし、怖くなっていくので、ここから先はもう少し大きくなってから、というかたちで説明しました。

少女マンガの名作ですので、親子で読んで損はないと思います。

(4)『ひまわりっ! 健一レジェンド』(東村アキコ)

ジャンル 青年マンガ
キーワード

ギャグ、コメディ、親子もの、恋愛、マンガ家になる

セクシャルさ

☆☆(やばめのギャグもあるのですが、ギャグなだけに、また、もともとあまり露骨なことは描かない作風でらっしゃるので、深刻にならないです)

東村アキコさんは、今日本で最も売れてる(描いてる)先生の一人じゃないかと思います。連載媒体むちゃくちゃ多いですよね。

作者のお父さんをモデルにした、旧作に入るであろうギャグ漫画がこちら。

最初はお父さんのキャラのすごさで動いていた話が、途中からどんどんぶっ飛んでいって、このマンガのスピード感は恐ろしいほどです。

マンガ家を目指す主人公、愛すべき変わり者のお父さん、おバカでかっこいい植木屋さん、いつもコントを始める職場の先輩たち、ものすごく可愛いけど性格の悪い女子、同人漫画家さん、おたく女子……たっくさん出てくる登場人物もカラフルです。

ネタとしては昭和の風俗がソースだったりするので、まったくわからないはずなのにうちの娘が、文句なしに読んでいます。

そもそも理解できると思っていなかったし、大人向けだから読ませるつもりもなかったのに、R指定とまではいかないから手の届くところに置いていたら、いつのまにか勝手に読み始めました。

リボン連載だった『きせかえユカちゃん』は買い与えたのでその影響かも? 子どものなかでどのように分節されているのか私にはわからないです。

東村アキコさんのものは、あとは育児マンガの『ママはテンパリスト』を面白がっていましたが、『ひまわりっ!』ほど繰り返し読んでないですね。ずいぶん流行った『東京タラレバ娘』含め、おおむね、娘には読むのはまだ早いと伝えています。

まあでも私が連載誌を買っているから、『タラレバ』もたまにめくってたんじゃないかとは予想してます……。
『タラレバ』と同時進行になった『海月姫』は、途中から読んでいたろうと思いますが、『ひまわりっ!』ほどハマらなかったようです。

(5)『魔法使いの娘』シリーズ(那州雪絵)

ジャンル 少女マンガ
キーワード

陰陽師、コメディ、霊、占い、女子高生、動物、鬼、親子

セクシャルさ

☆(軸が親子の物語なので、恋愛テイストそのものが少なめです)

超能力者レベルの陰陽師の「パパ」を持つ女子高校生を主人公として始まったシリーズ。その子の成長物語ではあるのですが、ざっくり陰陽師ものです。

幽霊とか妖怪とか鬼とか、あっちの世界の話が出てきて、那州雪絵さんの作品はいつもそうなのですけど、例えば「耽美的」「人の世の闇を感じる」といった、ありがちな形容では説明できない設定のものが多いです。

味わいはなぜかおかしいものが多く、Wilipediaで、「オカルトコメディ漫画」と説明されていたのも言い得て妙です。

特に怖いものが得意なわけではないうちの娘も、普通に楽しんで読んでしまう。

ちょっと不思議、怖すぎない、知らない世界。そういうのって、女子は好きですよね。

娘と読むグルメマンガ

(1)『信長のシェフ』(西村ミツル・梶川卓郎)

 

ジャンル 青年マンガ
キーワード

戦国時代、フランス料理、歴史もの、料理うんちく

セクシャルさ

☆(青年マンガとは思えないレベル。“くノ一”が堺の商人と同衾したシーンが5巻にありますが、露骨な描写はありません。)

これもドラマになったので、ご存知の方は多いでしょう。

途中で原作者(元公邸料理人、料理監修者)が離れました。うちわけはWikipediaから引用。

『信長のシェフ』(のぶながのシェフ)は、西村ミツル・梶川卓郎による日本の漫画。およびそれを実写ドラマ化した作品。漫画は芳文社『週刊漫画TIMES』にて、2011年3月18日号から隔週で連載中。なお10巻までは西村ミツル原作・梶川卓郎作画であったが、11巻以降は梶川卓郎が全て担当しており、西村ミツルは11・12巻のみ料理監修を行い。その後は手を退いている。

料理監修がいなくなったあと、料理の風速が落ちたな、と思えたことはあったのですけど、きっちりした書き込みはその後も健在です。

原作はご覧になったことがない方も多いかも。こんな感じ。

『信長のシェフ』21巻より

上記のように、もちろんルビはないですが、お料理が美味しそうなのにも惹かれ、親子ともにかなり楽しみに読んでいますね。

歴史うんちく、料理うんちくも展開され、巻末に、その巻に出てきたお料理のレシピが入っています。

まだ醤油もない時代の代替調味料の見つけ方、精進料理的な発想、乳製品フリーに西洋料理を作ることに興味のある大人にも、面白いです。

(2)『Artiste』(さもえど太郎)

 

ジャンル 青年マンガ
キーワード

フランス料理、五感(特に嗅覚、味覚)、対人関係

セクシャルさ

☆(あまり目立ったものはないですがよく見たら何かあるかもしれません)

『次にくるマンガ大賞 2018』にノミネートされました。

嗅覚と味覚が異常に鋭い気弱な主人公が、料理人として成長していく話です。

というとまとめすぎですが、全体に、よくできています。

ちゃんと美味しそうだし、主人公がきちんと成長していき、いつのまにか才能を発揮していくのもカタルシスがある。どうなるのか親子ともに楽しく読んでいるところ!

娘と読む伝統・生活マンガ

(1)『三丁目の夕日』(西岸良平)

 

ジャンル 青年マンガ
キーワード

昭和、貧しさ、高度経済成長期

セクシャルさ

☆☆☆(絵柄が絵柄なのでいやらしさには乏しいですが、ストリッパーが出てきたり、駄菓子屋のおじさんが「カストリ雑誌」でエロ小説書いたりしています)

これは、入れるかどうか迷いました。

映画じゃないですよ。
超ロングランのマンガ作品ですが、地味なので、マンガは読んだことない方いらっしゃるかもしれません。Wikipediaを引くと、

西岸良平による日本の漫画作品。および、それを原作としたアニメ、実写映画作品。『ビッグコミックオリジナル』(小学館)にて、1974年9月20日号より連載中。【中略】

一貫したストーリーは無い、一話完結型の作品。連載開始から30年以上経った2016年現在も連載が続く大長寿漫画となった。1981年度小学館漫画賞を受賞。中学国語の教科書に教材として掲載されたこともある。

登場人物はレギュラーのみのもの、その話に関係ある名前がついた1話だけの大人や学生のキャラクターを中心としているものの2種類がある。また、子供のレギュラーのキャラクターでも、子供が成長して学生になったり、就職したり、結婚したりする話がある。キャラクターの名前の一部は実在の人物や世相をもじったものも多い。キャラクターの家庭のほとんどは、何らかの形で不遇である。家業が倒産したり、親や兄弟を失っていたり、病気になっていたりする。

多少セクシャルなので、本来なら読ませないマンガだと思います。

が、禁じるほどでもないし放っておくと、なんだか自然に、読み始めるんですね。もともとよく読む子も、あまり読まない子も、同様です。

当然、ルビもないのですが、何度もなんども出してきて、小学校低学年くらいから、繰り返し、読んでいます。

『三丁目の夕日』は私ですら生まれてない頃の昭和が舞台で、子どもが主人公の話が多いです。
子どもが共感できる「ちょうどいい貧しさ」「昔ながらの遊び」が、その中にあるのかなぁと思っています。

メザシを取り合って、給食費も払えないような子どもも出てきます。
戦争の記憶も生々しく、でも電化製品が導入されていき生活が変わっていく時代の子どもたち。

とはいえ、単行本で読むのではなく、季節もののお題がついたコンビニマンガ。例えば「正月」「ひな祭り」「クリスマス」「夏休み」といったテーマで編まれたものを繰り返し読んでいます。下のような感じのものですね。

左上のコマに、風俗的なウンチクも入っているのが見えると思います。

『3丁目の夕日』「春の足音」編(My First Big )より

エピソードによってはストリッパーや場末の酒場が出てくるなどちょっと猥雑な話もあるので(駄菓子屋のおじさんがカストリ雑誌に匿名で小説書いてアルバイトしてたりとか)、積極的にはオススメしないです。

ただ、何かの折に……特に「もったいなさ」「贅沢すぎ」というようなことを伝える時に、このマンガを通して子どもが心から理解する気がしています。

だって経験として、不自由なんて知らないですからねぇ……。

親の育った時代背景やある種の価値観を共有する意味でも、役に立ってますね。いや私も知らない時代ですけども。

戦争や、世界の貧困まで話が飛躍すると子どもの共感を呼ばないのですが、『三丁目の夕日』はなぜか吸い込まれるように読み始める。決定的にやばい描写はないですし、上記のような理由で、自分で勝手に読むぶんには許容してます。

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執筆者について

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本やムックの編集者、時々ライター、一般社団法人 日本マクロヘルス協会理事。3人の子を育てる高齢出産ワーキングマザー。編著に『子どもを守る自然な手当て』、企画・翻訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』『親子で楽しむ おむつなし育児』など。大人向けのノンフィクションや小説、実用書、児童文学、絵本など、多くの出版物を編集・製作中。趣味はマンガ読み。

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