季節感を昔ながらの暦から味わってみようと、今年は「節気」に注目しています。
7月7日頃から7月22日頃までの時期は、二十四節気の11番目、「小暑」にあたります。
7月23日頃から8月6日頃までの時期は、二十四節気の12番目、「大暑」にあたります。
今回は、この2つをまとめてみました。
小暑ってなに?
二十四節気は太陽暦の1年を24等分したものです。詳しくは立春の項を参照。
小暑は、前述のように二十四節気の11番目、7月7日頃から7月22日頃までの時期です。
一月、二月、といった月を二十四節気から見ると、それぞれの月は、「節気(節)」(二十四節気の奇数番目)と「中気(中)」(偶数番目)から成り立っています。
旧暦の六月の節(奇数番目)に当たるのが、小暑なんですね。
現代の6月のイメージとの違いに驚きます。
小暑の意味
日本気象協会の「季節のことば」によると、小暑の定義は「暑さが厳しくなる」。
これは、現代版の用語解説だけあって、ぴったりですね。
7月ともなると、暑さがかなり厳しくなってくることがほとんどです。(2018年は酷暑ですしね!)
すっかり暑いので、小暑に入ってから立秋までが「暑中」。暑中見舞いを出せる期間に当たります。
辞書的には、
しょ‐ちゅう【暑中】 夏の暑さの厳しい期間。特に、夏の土用の18日間。
デジタル大辞泉(小学館)より
とありますので、小暑の終わりくらいから暑中、と考えてもいいかもしれません。
夏の土用とは?
土用の丑の日があるから、夏の土用が一番有名ですよね。
土用そのものは、季節の変わり目(立春、立夏、立秋、立冬)の前の18日間で、年に4回あります。
つまり夏の土用は立秋の日程に左右されるのですが、立秋は大体8月7日か8日なので(暑いのに!)、夏の土用の日程にも、さほど差がありません。
2018年……夏の土用入り 7月20日
2019年……夏の土用入り 7月20日
2020年……夏の土用入り 7月19日
2021年……夏の土用入り 7月19日
2022年……夏の土用入り 7月20日
2023年……夏の土用入り 7月20日
あまり差がないでしょ?
小暑の最後の3日間から、大暑の間が夏の土用って感じで把握していたらいいと思います。
立夏の前の土用……春の土用については「清明・穀雨、春の土用」をどうぞ。
「土用」の由来
「土用」は、古代中国の五行思想に基づいています。
五行思想(ごぎょうしそう)または五行説(ごぎょうせつ)とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説である。
また、5種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが根底に存在する。
西洋の四大元素説(四元素説)と比較される思想である。
Wikipediaより
上記、木火土金水(もくかどごんすい)を季節に当てはめてみると、
春=木
夏=火
秋=金
冬=水
で「土」が余っている。そこで、季節の変わり目に、だいたい18日間の「土」の季節をもうけたんだそうです。それが土用です。
(夏)土用の丑の日とは
丑の日、というのはまた別の数え方です。みなさんお分かりですよね。ねーうしとらうーたつみーの、十二支の丑(うし)ですよ。
十二支の数え方を、暦に当てはめているわけです。だから、一年中、順繰りに巡ってくる丑の日の中で、夏土用の期間にきた丑が、土用の丑の日です。18日間のうち、12セットのものが回るので、タイミングによっては、丑が2回来ることもあります。
2018年は二の丑がありますね(8月1日)。
2019年は一の丑が27日なので、二の丑はなし。
2020年は二の丑がありますよ!
2018年は小暑のうちに土用の丑でしたが、2019年は大暑になってから夏土用の丑がきます。というふうに、微妙に違う、暑い時季の丑の日。
平賀源内由来の「うなぎ」ばかりでなく、「う」のつくものを食べればいいそうです。絶滅危惧種うなぎを日本人がとり尽くさずとも、うのつく食物、いろいろありますよね。
うどんや瓜、梅干しでもいいかと思います。
このあたりは、子どもにシェアしたい季節感覚ですよね!
小暑に気をつけたいこと
現代ならではというか、暑さと同時に寒さの問題も発生しています。
暑さ対策
体感として夏が始まりますから、夏に気をつけたいことを、さらにきちんと気をつけましょう。
熱中症対策として、「水分をこまめに取る」はかなりいわれていますが、どんどん消耗されていくミネラルも、そしてビタミンもとりましょうね。
夏が旬の食材をとれば、必要なビタミンやミネラルがどんどん補給されます。
夏野菜は大抵、体の中から熱を冷ますので、暑さ対策としても理にかなっています。自然って本当によくできています。
利尿作用も強いので浮腫み防止にもなりますし、夏野菜を積極的に食べたらいいと思います。
子どもはトウモロコシ好きなので、トウモロコシごはんとかも喜ぶと思いますよ。
個人的には、ぬか漬けを始めます。お米は玄米で買って家で精米しているのですが、
(下のような精米機で精米しています。小さいし、楽です。子どもでも扱えます。)
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ぬかがどんどん余ります。冬場のぬかは、ぬか袋になったり、一部ふりかけになったりしつつ、面倒になり捨てられることのほうが多く、ぬか漬けも冬場は面倒になって続かないことが多いのですが、夏野菜はぬか漬けに最適!なので、夏になると、ぬか床を作り始めます。
夏は、なんていうか、ぬかどこ自体が美味しいです。洗わずこそげ落とした状態で、ぬかも一緒に食べたりもしてますね。
きゅうりなんかは、ぬか漬けにしたほうが栄養価が上がるそうです。
実際ぬかはビタミンB群の塊ですし、疲労回復に良いビタミンB群。それが染み込む夏野菜は最適だと思います。
良い塩を使ったらミネラルも豊富に取れますので、ぬか買ってきたらいいといえばいいのですけど、できれば精米は家でして、家庭で適宜つけるのをお勧めします。
ぬかどこの作り方
〈材料〉
米ぬか
塩
水
だしこんぶ
⑴ 米ぬかを炒る ← 炒ったほうが臭みが出づらいです。
⑵ ぬかを容器に入れ、塩を入れて混ぜる ← ちょっとしょっぱいくらい。ぬかは食品ですから、味見して決めています。
⑶ 水を入れる ← 野菜が無理なく埋められる硬さに。
⑷ クズ野菜で捨て漬けする ← 夏場は発酵が早いので、捨て漬けにならず、つかってしまうことも多いです。そういう意味では、クズ野菜でなくても大丈夫。
⑸ ぬかが発酵したら、時々昆布もつけて旨味をプラス。日に一度(できれば朝晩)、必ずかき混ぜて、好きな野菜を漬け込む。
ぬかの状態は匂いでわかります。良い匂いがすればOK。
水が少なくても、塩が少なくても変わります。
相手は生き物ですから、相談しながらやっていくと、好きな匂いが見つかりますよ。
匂いが好きだったら、味も好きです! 人間もどーぶつですよねー。
ぬか漬けを美味しくつけるコツ
だし昆布は必須ではないですが、入っていたほうが、旨味が増しますから、家族の評判がいいです。
あと、容器の端などにこびりついたぬかを、できれば毎回拭き取ってください。
そして、表面をならしてください。
味噌を作るときも、容器にへばりついた味噌をできるだけ綺麗に拭き取り、表面をならすのですが、同じ作業が、もう少し雑でもいいので、やはり必要です。
容器が汚れてると雑菌が繁殖しやすくなる、表面がならされていないと酸化しやすくなる、と理屈はあるのだと思うのですけど、本当に味が変わっていくんですよね。
香りのよいぬかをキープするには、ティッシュで拭き取る類の作業で構わないので、混ぜた後の容器はなるべく綺麗なほうがいいと思います。そして、適当でいいので、野菜を埋めたあとの表面はペタペタならします。
冷え対策
現代は、暑さと同時に冷え対策ですね。まずは、外面的な話。
エアコンについて
暑くて消耗しすぎたり眠れないよりは冷房や除湿も利用したらいいと思うのですが、温度は省エネ設定がやはりおすすめ。
外気との温度差は5度までにしたほうがいい、といわれています。
私が子どものころ、まだ昭和ですが、買い物でお出かけしたとき、涼しい屋内と、暑い屋外との出入りで、酔ったことがあります。気持ち悪くなって、路上で吐きました 😛 当時は冷やすお店はきっちり冷やしていたと思います(という印象)。
人間の体には、急激な温度差はやはり負担だと思います。
冷房も除湿も、可能な範囲で省エネ設定を心がけてください。
そして、できれば、足首は冷やさないほうがいいです。
締め付けずふくらはぎまで覆える、竹布のレッグウォーマーが私は一番好きです。以下のもの。
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でも汗かきの方には、竹布の乾きの悪さがちょっと気になるようです。竹布は、吸湿性はいいのですけど、放湿性は確かにちょっと劣る感じがします。
放湿性の良さで判断するなら、シルクがいいと思いますね。
シルクのレッグウォーマーもいいですが、足首ウォーマーもいっぱいあります。
汗かきだったり、暑がりだったりする人には足首ウォーマーがおすすめです。裸足でいいから、足首、つまり三陰交だけは守りましょう。
以下のタイプ(形)のものは、本当に締め付けないので楽ですが、脱げやすいし、ずり落ちやすいかな。でも、締め付けが苦手で暑がりの方におすすめです。夏場は締め付けられると痒くなりますしね。
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下のタイプは、もう少し満遍なく締めますが、ずれません。
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上記どちらも、絹100パーセントではありません。が、多少ポリエステルが入っていても、使ってみた感じ、絹の場合は許されるかな、と思っています。絹100の場合は結局、締めるところのゴムがちょっときつかったりする、という個人的な感想も含みます。
1箇所だけで締められると、それが存外辛いのが夏かなって思うんですよ。
寝冷えについて
さらに、夜寝るときは、肩を出さないほうがいいです。
布団をかぶって寝たい季節ではないので、冷えて凝るんですよね。
できれば、薄手で汗を吸う長袖を着て寝るのがいいです。私は、肌が透けるくらい薄いインド綿のTシャツ(1000円くらい)か、シルクの長袖インナーを寝間着にしています。暑くない長袖が一番、朝起きた時が快適ですね。試してみてください。
子どもたちは、綿100の薄手長袖パジャマでコロコロ転がってます。寝冷え防止にはちょうどいいようですよ。
下のリンクにその話が入っています。
氷等について
難しいなぁと思うのが、子どもが冷たいものを食べたがることです。
冷蔵庫から出したてのものばかり食べていたら夏バテしてしまう、と思うのですが、どうも第二子が、冷たいものを欲するようなのですね。一番汗かきで、エネルギッシュな子です。
冷たいものばかり食べない、という約束で、二番目のために氷を作るようにしました。
例えばそうめんを食べるときに、ちょっと氷を飾ってあげるだけで、涼やかで喜びます。
持ち歩きの水にも、氷を少し入れる、くらいのことは、ぬるくならない程度の配慮のために、するようになりました。
本当は熱かったりぬるかったりするものを飲んでもいいと思うんですけどねぇ……文化がそうじゃないからしょうがないですね。
水筒ごと凍らしたりは、海やプールに行くときくらいしかしませんが、多少の氷は、体質によって許容かと思ってます。
でも理屈のわかる大人は、胃と子宮が冷えるようなものは最小限にしてくださいね。
子どもがアイス等を食べたがるときは、自宅で似たものを作ることもありますが、市販のものでしたら、プレマルシェ・ジェラテリアのジェラートがおすすめです。
今は通販がなくて、京都、東京、北陸と九州といった、日本のいくつかの地方で食べることができますが、食べるとわかります。胃の腑が冷えず、からだが喜びます。アクセス範囲の方は、ぜひお試しください。
大暑ってなに?
大暑は、前述のように二十四節気の12番目、7月23日頃から8月6日頃までの時期です。
旧暦の六月の中(偶数番目)に当たりますね。
大暑の意味
日本気象協会の「季節のことば」によると、大暑の定義は「暑さ極まるころ」。
もう、なにも言うことありません。暑いです。酷暑、猛暑がほとんどなので、気をつけましょう、生き延びましょう……と、夏が苦手は私が思います……。
大暑のころに気をつけたいこと
上記、土用の項目で、いろいろ書いたことと同様です。
大暑はまるまる夏の土用ですから、夏に気をつけることをさらに気をつけて下さいね。
方角でも季節でも、土用は「真ん中」です。人体の真ん中は胃腸です。
胃腸を守らないとキツい、いかにも夏な時季。
逆にいうと、胃腸さえ健康なら、エネルギッシュにいろいろ燃やしていけますので、ダイエットに向いている時季です。
できれば、体を内側から人工的に冷やして代謝を落とさず、積極的に燃やしていってくださいね。
大暑に食べたいもの
夏野菜以外に、豆腐もおすすめです。
豆乳は極陰で、そこににがり(陽性)を入れることでバランスが取れています。さらに、にがりはマグネシウム。いろんな代謝を潤滑に行うのに、必ず必要なのに、日本人に不足しがちなミネラルです。
だから、この時期の豆腐、おすすめです。
大豆は中庸よりなので、若い大豆の枝豆は陰性です。
でも、だからこそ、枝豆も、夏にはいいですよ。
塩と一緒にすることで陽を増して、ミネラルと一緒に、食べてくださいね。
枝豆と一緒に食べる塩は、群を抜いてマグネシウム豊富なので、「ぬちまーす」が一押しです。
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☆ 望月 索 ☆
一般社団法人 日本マクロヘルス協会理事
らくなちゅらるライフプランナー
【参考文献】
「季節のことば」(日本気象協会 編)
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